高台寺の世界初“アンドロイド観音”、海外でも話題になるも批判的な意見も…
ロボットが日常の様々なシーンに進出する昨今。
そんな中、京都の高台寺でついに“アンドロイド観音”なるものが登場。
世界初となる試みで話題となっているが、この“アンドロイド観音”誕生のニュースは今や世界でも注目を集めている。
“アンドロイド観音”とは何なのか?
今、国内のみならず世界でも注目を集める“アンドロイド観音”は、その名も「マインダー」と呼ばれるもの。今月23日、京都市東山区の高台寺で公開された。
マインダーは台座を含めて1.95メートルほどで、頭部と手は人を模したシリコン製となっているものの、その他の部分は機械がむき出しとなった独特の風貌を晒している。開発にかかった総額は約1億円だという。
マインダーの左目にはカメラが設置されており、これにより相手の目を見て話すようなしぐさを行うことが可能となっている。
京都市東山区の高台寺で23日、仏教の教えを分かりやすく説明するアンドロイド(人型ロボット)観音「マインダー」が報道関係者に公開されました。#アンドロイド #京都 #マインダー pic.twitter.com/0Lj6E9iB0s
— 時事通信映像ニュース (@jiji_images) February 23, 2019
この開発を担ったのは、大阪大教授で世界的なロボット研究者として名を馳せる石黒浩氏。きっかけとなったのは高台寺の後藤典生執事長が同氏と対談したことだという。
マインダーはプロジェクションマッピングにより映し出された人々の問いに答える形で、語りかけるように法話を行うとのことだ。
法話が行われる最中には、観光客向けに英語と中国語の字幕も表示されるという。
Robot Monk Delivers Buddhist Sermons at an Ancient Japanese Temple | Turing Tribe https://t.co/tk1tVk7hCK #ArtificialIntelligence #MachineLearning #ai #ml #robot #Buddhism #Japanese #Japan pic.twitter.com/tJeNtH8QQA
— Salil Sethi (@salilsethi) February 27, 2019
由緒ある寺でなぜアンドロイド?
しかし1600年代に創建された由緒ある寺である高台寺が、なぜアンドロイドの観音を制作するという、なんとも斬新な発想に至ったのだろうか。
これについて後藤執事長は、仏教が爆発的に広がったのは仏像の誕生に拠るものと説明。
「動き、語りかけるアンドロイド観音によって仏教の教えが現代の人々に伝わっていってほしい」(朝日新聞より)としている。
またアンドロイドという形を取っていることに関しては、観音は人々を救うために姿を変えることができるとして、今回はアンドロイドに変身した、と説明しているという。
#豊臣秀吉 の正室・ #北政所 ゆかりの寺院・ #高台寺 (京都市東山区)が #アンドロイド観音 「 #マインダー 」をお披露目しました。動画のフルバージョンはこちら https://t.co/7VSCC9oBhy pic.twitter.com/FatvliNSRi
— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) February 23, 2019
海外の反応は肯定的かと思いきや…
一方、世界初のアンドロイド観音誕生のニュースは世界各国でも伝えられており、様々な反応が巻き起こっている。
ある人は“カトリック教会でもこれを使うべきだ!”とコメント。
またある人は“本物の僧侶と同じくらいの価値がある”とコメントし、アンドロイド観音の意義について理解する姿勢を見せている。
一方で、アンドロイド観音誕生のニュースに関しては、厳しい意見が相次いでいるのも事実だ。
ある人は“ロボットの僧侶は、般若経や菩提心を生み出すことができ、見識あって生ける精神的な人間の僧侶に置き換わることはできない”と厳しいコメント。
またある人は“人類の未来を恐れている。700万ポンド(約1億円)をロボットに費やすくらいなら、その費用を人間の僧侶にかければおそらく日本の僧侶が生きるのには十分だ。なぜ我々は人間が必要とされない方向性へと向かおうとしているのか?”とコメント。
1億円という巨額の資金がアンドロイドの開発へと費やされたことに対する疑問の声を上げている。
さらにある人は“(日本文化は)世界において生身の人間と話すことに対する社会的な不安が非常に大きい唯一の文化だ。彼らは(人間よりも)ロボットと話すことを好むんだろう。本当に悲しいことだ”とコメント。
日常生活の様々な場面において、生身の人間と話すことを嫌う日本文化に対する疑問の声を上げている。
ちなみにマインダーは、3月8日から5月6日にかけて一般公開されるとのこと。
仏教の経典「#般若心経」を解説する #アンドロイド観音「#マインダー」が、京都市東山区の #高台寺(臨済宗建仁寺派)で完成し、報道陣に公開されました。
写真特集はこちら→https://t.co/lOG3eAfvUM pic.twitter.com/A6suDUX7Z2— 毎日新聞写真部 (@mainichiphoto) February 24, 2019
海外では疑問の声も相次ぐアンドロイド観音であるが、実物をこの目で確認してその意義について考えてみたいところだ。(了)
出典:Daily Mail:Meet the AI monk: Buddhist robot costing £700,000 is now delivering religious teachings at a 400-year-old temple in the Japanese city of Kyoto(2/25)
出典:Buddhistdoor Global:Kyoto Temple Unveils Android Version of Kannon Bodhisattva(2/26)
出典:朝日新聞:北政所ゆかりの高台寺にアンドロイド観音 開発費1億円(2/23)
出典:産経ニュース:アンドロイド観音お披露目 京都・高台寺「仏教に興味を」(2/23)
出典:ITmedia:ロボが読経……世界初「アンドロイド観音」高台寺に登場 「仏様を人間に近づけることができないか」石黒浩教授に持ちかけ(2/24)