ビル・ゲイツ夫妻は数年前からコロナ禍に備えていた
マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツ氏は、数年前からウイルス蔓延を危惧し、警鐘を鳴らしていた。
地球の危機は戦争でなく、ウイルス
現在64才になるゲイツ氏は、マイクロソフト社から離れた後、妻のメリンダさんと共に慈善団体「ビル&メリンダ・ゲイツ財団)Bill and Melinda Gates Foundation」を設立。途上国の人々をポリオ(急性灰白髄炎)、マラリアなどから守る活動を続けると同時に、感染症の恐ろしさを世界に訴えてきた。
英国のメディア「Metro」によれば、ウイルスが引き起こす「世界規模の大惨事」を予期する発言を、ゲイツ氏は5年前にしていたそうだ。2015年にカナダで開催されたカンファレンスで、彼は次のように言っている。
「今後数十年のうちに、1千万人以上の人が殺されるような事態が起こるとしたら、その原因は戦争ではなく、非常に感染性の強いウイルスである可能性が最も高いだろう。ミサイルではなく、微生物だ」
このスピーチの中でゲイツ氏は、現在顕在化している医療システムの脆弱さについても指摘した。
「その(大惨事の)理由の1つは、医療への投資の少なさだ。我々は核抑止力のために多大な投資をしているが、伝染病の流行を阻止する医療システムには、ほんの少ししか投資していない。次に起こる流行に、まだ準備できていないのだ」
ゲイツ家の準備
メリンダ夫人は英国BBC放送のラジオ番組でインタビューを受け、新型コロナウイルスのような病疫の大流行に備えて、家族で準備していたと語った。
「ある程度の準備をしていたことは確かです。何年も前に、家族でそういうことを話し合いました。飲み水がなくなったらどうしようとか、食べ物が手に入りにくくなったらどうしようとか、どこへ避難したらいいかとか、家族でできることを話し合ったのです」
ただ、家での準備はそれほど大したものではない、と夫人は続ける。
「確かに準備はして、例えば地下室に食べ物を蓄えたりはしたのですが、今はそんな準備と関係なく、全ての人が同じ状況に立たされています。私たちには、(コロナウイルスと戦う)道具がありません。あらかじめ治療薬やワクチンを準備してはおけないし、特に出来ることは何もないのです」
家族が感染していないのは「幸運にすぎない」と夫人は言う。外出する時は、家族全員が必ずマスクを着けているそう。また、ドイツと韓国のウイルス対策を高く評価し、他の国もお手本にすべきだとも語っている。(了)
出典元:Metro:Bill and Melinda Gates have been ‘prepping’ for years for Covid-19(4/16)
出典元:BBC:Pandemics with Melinda Gates(4/16)