水素燃料を使い二酸化炭素を削減へ、エアバス社が未来の旅客機のモデルを発表
航空大手の「エアバス社」が、二酸化炭素の排出量を減らす航空機のコンセプト・モデルを発表した。
商業用フライトとしては世界初
エアバス社は21日、3タイプの旅客機のコンセプト・イメージを発表した。
この航空機は、水素を燃料として飛ぶとされ、実現すれば二酸化炭素の排出量を減らす商業用のフライトとしては世界初になるという。
ただし実際にサービスが開始されるのは2035年となっている。エアバス社ではこの水素燃料を使うことで、飛行中の二酸化炭素の排出量を、最大50%まで減らせる可能性があると見積もっているそうだ。
エアバス社の最高経営責任者・Guillaume Faury氏は「水素燃料を使うことで、航空機の気候への影響を大幅に削減することができます」と語っている。
Meet #zeroe, our new zero-emission concept aircraft! These 3 concepts are powered by #hydrogen to reduce aircraft emissions.
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— Airbus (@Airbus) September 21, 2020
20世紀初頭にも水素を燃料として使用
しかし専門家によれば、航空産業で水素を燃料として使うのは、これが初めてではないという。
実際に20世紀前半にも水素が燃料として使われていたが、ドイツの巨大飛行船「ヒンデンブルク号」が1937年に爆発事故を起こしてからは、使用されなくなったそうだ。
ただし最近では2000年から2002年にかけて、EUの出資した「Cryoplaneプロジェクト」に「エアバス社」が関与。そこで液体水素燃料による旅客機の実現可能性が研究されたと言われている。
200人の乗客を約3000kmまで運ぶ
今回発表された次世代モデルにおけるターボファンのデザインでは、最大200人の乗客を約3200kmまで運ぶことができるとか。
また3つの飛行機全てに、液体水素を燃焼するように改造されたガスタービンエンジンが搭載され、水素燃料電池を介して電力が生成されるという。
ただしこのアイディアを実現するためには、空港に給油のインフラを整備する必要もあり、多額の投資が求められるそうだ。そのためエアバス社のFaury氏は次のように語り、支援を訴えている。
「これらのコンセプトプレーンの主要な電源としての水素への移行には、航空エコシステム全体からの断固とした行動が必要です。政府や産業界のパートナーからのサポートとともに、航空業界の持続可能な未来のために再生可能エネルギーと水素をスケールアップするこの課題に立ち向かうことができます」(了)
出典元:MailOnline:Around the world in ZERO emissions: Airbus unveils concept images of an eco-friendly fleet of the future(9/22)
出典元:BBC:Airbus looks to the future with hydrogen planes(9/22)