キルギスとタジキスタンの国境で紛争が勃発、戦闘で31人が死亡【動画】
中央アジアにあるキルギスとタジキスタンとの間で紛争が起き、多くの死傷者が出た。
死者の中には幼い少女も
この紛争が起きたのは4月28日、場所はキルギスのBatken地域だという。
水の管理施設に監視カメラが設置された後、双方の住民などが石を投げ合っていたが、その後国境警備兵も参加。29日には両国の軍が銃撃戦を繰り広げた。
この紛争により、キルギス側は少なくとも31人が死亡。150人が負傷した。死亡した人の中には、幼い少女も含まれていたという。
一方、タジキスタン側の死者や負傷者の数は、伝えられていない。
Clashes on the Kyrgyzstan-Tajikistan border at Batken district https://t.co/DcAyHt53lO #CentralAsia pic.twitter.com/XlxBj3JGZf
— Liveuamap (@Liveuamap) April 29, 2021
1万人の住民も避難
この紛争のきっかけは、キルギスとタジキスタンが自国の領土と主張するエリアにある水の管理施設の存在。キルギスのBatken州知事によると、両者は水の監視装置を撤去することで合意していたが、その後タジキスタンが拒否したという。
紛争が起きた街には、20軒以上の家が並び、学校や8つの店、カジノなどがあったが、SNSにはそれらが燃えている様子が投稿されている。
また紛争が激化したため、1万人の住民が避難を余儀なくされたそうだ。
Troubling nighttime footage from Kyrgyzstan-Tajikistan border. Man speaking in Tajik here. "We burned down the Kyrgyz homes" h/t @dofvmin pic.twitter.com/ZbKLYbgQj5
— Peter Leonard (@Peter__Leonard) April 29, 2021
ソビエト時代は行き来が自由だった
BBCによれば、実はソビエト連邦時代には、両国の国境は自由に行き来ができており、領土に関してはほとんど問題にならなかったという。
しかしその後、ソビエト連邦が崩壊。国境管理が厳格になり、すでに30年以上も両国の間に緊張が高まってきたそうだ。
そして今回の紛争は、ここ数年間で最悪のケースになったと伝えている。
現在、両国の軍は休戦に合意し、撤退しているそうだが、街ではまだ散発的に銃声が鳴り響いているという。
タジキスタンとキルギスの間の蛇行した境界線は、その1000kmの長さの3分の1以上が紛争状態となっており、特に緊張を強いられてきたそうだ。(了)
出典元:BBC:Deadly fighting on Kyrgyzstan-Tajikistan border kills at least 31(5/1)
出典元:INDEPENDENT:Thousands flee as water dispute triggers worst fighting in decades on Kyrgyzstan-Tajikistan border(5/2)