イスラエルの遺跡で古代の鶏卵を発見、ほぼ完全な状態で残っていた!
イスラエルにある古代の遺跡から、損なわれていないニワトリの卵が発見された。
約1000年前の卵だった
その古代の卵が見つかったのは、イスラエル中部の都市、Yavneの遺跡だとされている。
当時、イスラエル考古学庁の研究者らは、都市拡張計画の一環として、遺跡の発掘調査を行なっていたという。
その時、今からおよそ紀元後1021年のものと思われる古代の卵を発見。6月9日にそのことを発表した。
完全な卵は非常に珍しい
この卵はほとんど損なわれておらず、殻も完全な状態で残っていたとされている。
また古代の家禽類研究の第一人者であるLee Perry Gal博士によれば、過去にも卵の殻などは見つかっているが、このような状態は非常にレアだという。
「例えばダビデ市やカエサリア、アポロニアなどでは、古い時代における卵の殻の断片が知られていますが、卵の殻は壊れやすいため、鶏卵全体が保存されているものはほとんどありません。世界的に見ても、非常に珍しい発見です」
考古学者によると、この卵が保存されていたのは、主に発見された場所の性質によるもので、人間の排泄物の層に包まれていたため、滅多にない嫌気(酸素のない)状態になっていたという。
また遺跡からは古代のダチョウの卵が発見されることはあるが、それは殻が厚いため、そのまま保存されているそうだ。
その後、卵はどうなった?
そもそもイスラエルでは、2300年前のヘレニズム時代や初期ローマ時代から鶏が飼われていたが、7世紀以降には、豚肉を食べることが禁止されていたという。
このため家族は、冷却や保存を必要としないタンパク質の代替品を必要としており、それが卵と鶏肉だったと言われている。
ただし今回発見された卵の殻は、その後、イスラエル考古学庁の有機物研究室に運ばれた後に、割れてしまったそうだ。
そして肝心の中身だが、卵の黄身がかろうじて残っていただけで、あとは空っぽだったとか。研究者は、残ったものを取り出し、コラーゲンを抽出して、DNAの配列を調べるつもりだという。(了)
出典元:Forward:1,000 year old intact chicken egg discovered in Israel – but cracked open while being examined(6/9)