気候変動の影響?スウェーデンの山が、昨年に比べて2mも低くなる
最近の気温の上昇などにより、スウェーデンの山の高さが低くなっていることが、明らかとなった。
調査開始以来、最も低くなる
この研究を行ったのは、ストックホルム大学などの研究者たちだ。
彼らは8月14日、スウェーデンで最も高い「ケブネカイセ山」の南側の頂上の高さを調べたという。
その結果、頂上の高さは海抜2094.6m(誤差±0.2m)であることが明らかとなった。
しかしこの高さは1940年代から調査が行われて以来、最も低いものとなり、昨年の夏と比べても約2mも低くなっていたという。
夏と冬では高さが2~3mも異なる
1940年代から続けられてきた測定において、すでに20世紀には、雪どけにより南側の頂上の高さや形まで変化していることは分かっていたという。
また夏と冬と比べても、山の高さは2mから3mも異なり、通常最も高くなるのは5月で、最も低くなるのが9月とされている。
しかし昨年の8月7日に測定した時には、高さが海抜2096,5mになっていたため、今年は昨年よりも約2mも低くなったことになる。
2000年以降、頂上が低下、外観にも変化
そもそも2000年以降、この山の高さは急激に低下しており、同時に場所によっては氷の厚みが増しているという。
実際、山には2000年代初頭まで存在しなかった「プレピーク」と呼ばれる平坦な部分が出現しており、その部分は1.2m高くなっているそうだ。
ただ平均すると2020年以降、氷全体の厚みが0.5m減少しており、これは約2万6000トンの水に相当すると言われている。
このような山頂の低下と氷の外観の変化は、主に気候変動による気温上昇によって説明できるが、同時に冬に雪が積もる場所に影響を与える風向きの変化によると考えられるという。(了)
出典元:Mountain Research Initiative:Sweden’s Highest Mountain Shrinks by Two Metres in a Year As Glacier Melts(8/18)