米マクドナルド、バーガーキング、ドミノピザ、ピザハットからフタル酸エステル検出、日本は大丈夫か
大学の調査によって、アメリカのポピュラーなファストフードに、少量ではあるものの、フタル酸エステル類が含まれていることがわかった。
フタル酸エステル類は、プラスチック製品を柔らかくするための可塑剤として使用される化学物質。(食品添加物ではない)人体への有害性への懸念があり、ヨーロッパ、カナダ、アメリカでは使用規制の動きが強まっている。
ファストフードのサンプル80%から検出された
アメリカ・ジョージ・ワシントン大学の研究グループは、テキサス州サンアントニオ市内にあるファストフード店——マクドナルド、バーガーキング、ピザハット、ドミノ・ピザ、タコベル、チポトレ(Chipotle)——から代表的なアイテムを取り寄せ、ガスクロマトグラフィー質量分析法で成分を分析した。
アイテムを具体的に挙げると、ハンバーガー、フライドポテト、チキンナゲット、チキンブリトー、チーズピザ。どれも複数個を買い集め、合計64品を分析対象にした。
その結果が学術誌「Journal of Exposure Science & Environmental Epidemiology」に発表されており、採取したサンプルの80%以上からフタル酸エステル類が検出されたとのこと。
フタル酸エステルは、がんや肝臓障害、不妊、甲状腺疾患、ぜんそく、子供の学習障害や注意欠陥障害などの原因になっていると言われ、EU、アメリカ、日本などでは、特定のフタル酸エステルを、子供が口に入れる可能性のあるおもちゃへ使用することを禁じている。
従業員の手袋などから食品へ
フタル酸エステル類は、本来食品には含まれないもの。それがなぜ検出されたのか?
研究者は、製造過程で素材が接触するプラスチック類、例えばパッケージや、液状のものが通過するチューブ、コンベアのベルト、従業員がはめる合成ゴムの手袋などから移ったと考えている。ファストフードのアイテムは、こうしたフタル酸エステル類が含まれるプラスチックと接する機会が、他の食品に比べて多いそうだ。
ホッとできるのは、検出された量が少ないということ。海外メディアによれば、アメリカ合衆国環境保護庁による基準値より低かったとのこと。
ちなみに、フタル酸エステル類が多く検出されたのは、肉を使ったメニューアイテム。最も少ないのはフライドポテトとチーズピザだった。(了)
出典元:The Washington Post:Some fast-food items contain plastics linked to serious health problems, new report shows(10/27)
出典元:Boken Quality Evaluation Institute:フタル酸エステル類について
出典元:Wikipedia:フタル酸エステル