ロシア、NATO加盟を目指すスウェーデンやフィンランドに警告
ウクライナ侵攻を受け、NATO加盟を目指しているスウェーデンやフィンランドに対し、ロシアが警告した。
「欧州に安定をもたらさない」と警告
アメリカの国務省は先日、ロシアのウクライナ侵攻は「大規模な戦略的失敗」であり、NATOの拡大をもたらす可能性が高いと指摘していた。
そして国務省は、スウェーデンやフィンランドが6月にもNATOへの加盟を申請すると予想しているという。
これを受けて、ロシアのペスコフ報道官は4月11日、「NATOの同盟は、依然として対立に向かう道具である」と発言。フィンランドとスウェーデンのNATO加盟への動きは、ヨーロッパに安定をもたらさない、と警告した。
今夏前に議論を終える予定
ロシア軍のウクライナ侵攻により、スウェーデンやフィンランドでは、NATO加盟に対する国民の支持も高まっているという。
フィンランドの国会議員は今週、情報当局から安全保障に関する報告書を受け取ることになっており、サナ・マリン首相は、政府がNATO加盟申請を行うかどうかについては「真夏前に議論を終えるだろう」と述べている。
フィンランドはロシアと1340kmに及ぶ国境で接しており、ウクライナへの侵攻で揺らいでいる。
スウェーデン「安全保障上の立場が変わった」
スウェーデンの与党である社会民主党は、伝統的にNATO加盟に反対してきたが、ロシアの自国への攻撃の可能性に照らして、この立場を再考していると述べた。
同党のトビアス・バウディン書記長は地元メディアに対し「NATO加盟の見直しは。今後数カ月以内に完了するはずだ」と語っている。
また社会民主党は4月11日、「ロシアがウクライナに侵攻したとき、スウェーデンの安全保障上の立場は根本的に変わった」と声明を発表した。
「バランスを取り戻す必要がある」
これに対し、ロシアのペスコフ報道官は先週、「スウェーデンとフィンランドがNATOに加盟した場合、ロシアは独自の措置で状況のバランスを取り戻す必要がある」と述べたという。
また同報道官は「(NATOの同盟は)平和と安定を保証するようなものではなく、その拡大は欧州大陸にさらなる安全保障をもたらさない」と警告した。
現在、フィンランドやスウェーデンはNATO加盟を推進すると同時に、国防費も増やしているそうだ。(了)
出典元:BBC:Ukraine War: Russia warns Sweden and Finland against Nato membership(4/11)