スペインの「ストーン・ヘンジ」、水位の低下した貯水池の底に出現
スペインの「ストーン・ヘンジ」と呼ばれる遺跡が、水位の低下した湖の底から姿を現した。
フランコ政権下で貯水池に水没
その遺跡は正式には、「グアダルペラルのドルメン(Dolmen of Guadalperal)」と呼ばれ、イギリスにある「ストーン・ヘンジ」のように、石が円形状に配置されているという。
1926年にドイツの考古学者、フーゴ・オーバーマイヤー氏によって初めて発見され、専門家の間では、この遺跡が紀元前5000年から存在していたと考えられている。
しかし1963年、フランコ独裁政権下の農村開発計画により、スペイン中央部のカセレス県にあるバルデカナス貯水池に水没してしまったそうだ。
このため以来、4回しか姿を見ることができなかったと言われている。
貯水池の水位は28%まで低下
現在、スペインは過去60年で最悪の干ばつに直面しており、当局によると貯水池の水位は容量の28%まで低下しているという。
このため再び「グアダルペラルのドルメン」が、貯水池の底から姿を現したのだが、専門家も驚いているそうだ。
マドリードにあるコンプルテンセ大学の考古学者、エンリケ・セディージョ氏もメディアの取材に対し、「驚きであり、アクセスできる貴重な機会だ」と語っている。
建てられた方法は謎のまま
「新世界百科事典(New World Encyclopedia)」によれば、「ドルメン」は石が垂直に立てられ、それらが平らな岩やキャップストーンを支えているという。
しかし、どのようにして建てられたのかは謎のままだとされている。
ヨーロッパ全域で「ドルメン」の近くや中で人骨が見つかることがよくあるため、この構造物が墓の役割を果たしたと考えられているそうだ。
NASAによれば、この「ドルメン」が最後に姿を見せたのは、ヨーロッパが干ばつに見舞われていた2019年で、1963年に水没して以来、この時に初めて構造物全体が見えるようになったという。(了)
出典元:ABC News:‘Spanish Stonehenge’ has reemerged amid Europe’s sizzling drought(8/19)