台湾でデング熱の患者を9人確認、国内での集団感染
台湾でデング熱に感染した例が9件確認され、当局が警戒を呼び掛けている。
高雄市で9人の感染を確認
台湾の疾病管理センター(CDC)によれば、9月5日に高雄市で、デング熱患者が報告されたという。
感染したのは海外渡航歴のない60歳の男性で、発熱や頭痛、体の痛み、関節痛、下痢などの症状に見舞われ、病院に入院したそうだ。
このため9月6日から9月11日にかけて、826人に対しデング熱の検査を実施。現時点では、高雄市前鎮区内の3つの村で、9人の感染者が報告されたという。
国内の局地的な集団感染
台湾のCDCは、すべての患者が「DENV-1」ウイルス株に感染していたことから、今回の症例が国内の局地的な集団感染であると判断している。
保健当局は、ウイルスのさらなる拡大を防ぐため、近隣の清掃、媒介蚊の密度調査、緊急薬剤散布を実施したという。
また患者の接触履歴を追跡し、関連する場所の人々を検査することを継続する方針を示している。
同時に、発熱、頭痛、目の奥の痛み、筋肉や関節の痛み、発疹などの症状がある場合は、できるだけ早く医師の診察を受けるよう呼びかけているそうだ。
2022年で11件の症例を確認
台湾のCDCはこれまでに(2022年)、今回の高雄の9例と、台中の2例を含む11例の国内デング熱患者を記録しているという。
海外からの症例は、合計32件。ベトナムから渡航してきた人で19件、インドネシアから6件、フィリピンから2件、シンガポールから2件、タイから1件、ミャンマーから1件、ホンジュラスから1件となっている。
デング熱は蚊を媒介にして感染するとされ、日本の厚生労働省によれば、デング熱患者の一部は、まれに重症化してデング出血熱やデングショック症候群を発症することがあり、早期に適切な治療が行われなければ死に至ることがあるという。
このため台湾の保健当局は国内の各家庭に対して、住居内外の衛生管理を徹底するよう求めている。(了)
出典元;Taiwan News:South Taiwan reports dengue fever cluster of nine cases(9/12)