YouTube/Sea Search Research & Conservation

南アフリカ沖で、シャチがホオジロザメを襲う様子が撮影され、その動画が公開されている。

サメの肝臓を食らうシャチ

そもそも研究者たちは今年の6月、2頭のオスのシャチ（Orcinus orca）の「ポート（Port）」と「スターボード（Starboard）」が、南アフリカのガンスバイ海岸付近で、少なくとも8頭のホオジロザメを襲っていたと報告していたという。

そして今回、ドローンとヘリコプターで1時間かけて、上空から撮影。そこには「スターボード」と呼ばれるシャチが、ホホジロザメを攻撃する仲間を助け、サメの脂肪肝と思われる白い肉の塊をいくつも食べている様子が映っていた。

10月3日付の『Ecology』誌に発表された研究の著者によれば、シャチがホオジロザメを攻撃している様子が撮影されたのは、これが初めてだと述べている。

従来はサメの死骸から推定

この2頭のシャチたちは少なくとも5年前から、ホホジロザメを殺しては肝臓を食べていたとみられ、他のシャチたちもサメを襲っていたという。

しかし過去に起きた襲撃はすべて、ガンスバイ海岸に打ち上げられたサメの切断された死骸から推定されただけに過ぎなかったそうだ。

南アフリカのガンスバイにある「Marine Dynamics Academy」の研究代表者・Alison Towner氏は、「このような行動はこれまで詳しく目撃されたことがなく、特に空から見たことはありません」と声明で述べている。

サメが攻撃を回避する行動をしていた

また今回の映像には、サメの回避行動の一部も見られたという。

2つのケースでは、シャチがゆっくり近づいてきた時、サメは逃げるどころか、シャチの近くにとどまり、水中を旋回しながらシャチを視界に捉え続けていたそうだ。

これは、アザラシやカメがサメから逃れる際に用いる防御戦略だと考えられるが、研究者は「この戦略が、集団で狩りをする社会的動物であるシャチには、あまり有効ではない可能性が高い」と述べている。（了）

出典元：Livescience：Grisly new footage shows orcas attacking a great white shark and eating its liver(10/8)