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アメリカ連邦政府が実施する「全米学力調査（National Assessment of Educational Progress）」の結果レポートが発表になり、子供たちの学力低下が著しいことが分かった。原因は、新型コロナのパンデミックによって学習環境が変わったことだろうと考えられている。

数学と読解力のスコアが低下

この学力調査はアメリカ全土で行われるもの。数学では、例年よりスコアが上がった州は一つもなかった。特に8年生（日本の中学2年にあたる）の数学のスコアは、ユタ州を除く全ての州で著しく下がり、おおよそ10人に4人が基本的な水準に達していないことが分かった。

調査を実施する政府機関「全米教育統計センター」のPeggy Carr氏は、今回の結果についてこう話す。

「これは歴史的な出来事です。全米学力調査の過去の歴史の中でも、今回の数学の学力低下は最大です」

8年生の数学のスコア（最高で500点）は、2019年は282点だったが、今回は8点下がり、274点となった。また、4年生の数学も低下が目立っており、2019年に241点だったものが、今回は5点低い236点だった。

数学だけでなく、読解力（Reading）のスコアも落ちている。8年生は263点から3点下がり260点に。4年生は220点から3点下がり、217点となった。

新型コロナが教育に与えたショック

新型コロナの感染拡大が酷かった頃、アメリカの多くの学校が休校となったり、登校日を減らすなどした。今のところ、それが学力低下の原因だという科学的な証拠はないが、前出のCarr氏は「新型コロナがアメリカの教育にショックを与えたことは明らかだ」と言う。

特に8年生（アメリカでは高校受験の学年）の学力低下は、子供の進学と将来に大きく影響すると心配されている。

日本では、今年の3月に、文科省が「コロナで長期休校、学力低下見られず」と発表した。それから第7波を抜けた今、子供たちの学力はどうなっているだろうか。（了）

出典元：New York Post:Math scores mark historic declines across the country during COVID pandemic: federal data(10/24)

出典元：New York Post:COVID pandemic undid decades of math, reading progress: federal data(9/1)

出典元：NPR:Reading and math scores fell sharply during pandemic, data show(9/1)