アマゾンに生息する巨大魚「ピラルク」の数が増加、管理漁法の成果
南米のアマゾン川に生息する魚「ピラルク」の生息数が近年、回復しているという。
1960年代に乱獲された巨大魚
「ピラルク(またはアラパイマ)」は先史時代の魚で、大きく開いた口、赤い鱗、未発達のヒレを持っているという。
体重は220キロ、体長は3メートルにも成長すると言われ、アマゾンを代表する巨大魚とされている。
しかし1960年代、ボートのモーターや製氷機、漁具の改良により、「ピラルク」は乱獲されるようになってしまう。
ところが近年、持続可能な漁法により、「ピラルク」の成魚の生息数が回復。4倍に増えた水域もあれば、10倍に増えた水域もあるそうだ、
地元の人々などが政府に嘆願
実は1990年代に入ってから、川沿いに住む地元の人々や先住民のコミュニティ、オランダ人宣教師らが協力して、違法漁民からこの地域を保護するようブラジル政府に嘆願したという。
そして2011年に管理漁業が開始され、以来毎年、アマゾナス州のカラウアリ(Carauari)やサン・ライムンド(São Raimundo)、マミラルア(Mamirarua)、メディオ・ジュルア(Medio Jurua)などの地域の湖や氾濫原に漁師が舟で向かい、ピラルクの成魚を数えているそうだ。
その数は環境当局に報告され、翌年の9月の水位が最も低くなる3週間の間に、生息数の30%を捕獲することが許されている。
2011年のサン・ライムンド地方の「ピラルク」の数は1335匹だったが、このような管理漁業により、2021年には4092匹と増加
カラウアリ地方でも、2011年に4916匹だった「ピラルク」が、10年後には4万6839匹に急増しているという。
大きな収入源、しかも美味しい
「ピラルク」は人間も襲うことがあると言われているが、地元の住民にとってこの魚は恐怖の対象ではなく、「喜び」の対象になっているという。
実際に捕獲すれば100ドル(約1万3000円)にもなるため、短い漁期を自給自足で過ごす彼らの大きな収入源になっているそうだ。
しかもピラルクはとても美味しくて、食べた人はみんな惚れ込んで、もっと食べたくなるのだとか。
自然保護は、動物の狩猟や漁を適切に組織化し、規制することから始まるが、「ピラルク」はその好例と言えるかもしれない。(了)
出典元:Good News Nerwork:True ‘River Monster’ of the Amazon Has Recovered Thanks to New Sustainable Fishing(12/8)