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「アマゾン」がヒト型ロボットを試験的に導入、2足歩行で手を使い運ぶ

「アマゾン」がヒト型ロボットを試験的に導入、2足歩行で手を使い運ぶ
X_Agility Robotics

アメリカのネット通販大手「アマゾン」が、自社の倉庫でヒト型ロボットを試験的に導入している。

 

75万台以上のロボットが人と協働

 

「アマゾン」によれば、すでにアメリカにある倉庫で、腕と脚を持ち、人間と同様の方法で商品を移動、把持、処理できる新しいロボット「デジット」をテストしているという。

 

また現在では75万台以上のロボットが人間のスタッフと「協働」しており、多くの場合「反復性の高い作業」を担っているそうだ。

 

「アマゾン」側は、この動きについて、「従業員を解放し、より良い配送をお客様に提供するため」だと述べている。調べてみると、日本のメディアも報じていたので、その動画をご覧いただきたい。

 

物をピックアップして移動

 

「デジット」は移動に車輪を使うのではなく、2本の足で歩くという。また、荷物やコンテナ、顧客からの注文、物をピックアップして移動させることができるアームも備えているそうだ。

 

しかもこのロボットは、段差や階段、あるいは施設内の上下移動が必要な場所にも対応できるという。

 

ただし、このロボットはプロトタイプ(試作機)であり、今回の試みは人間の従業員と安全に作業できるかどうかを確認するためのものとされている。

 

「完全自動の倉庫をもつことはない」

 

この発表の中で、「アマゾン」側は、このロボットシステムは実際に「何十万もの新しい雇用」を創出するのに役立っていると述べている。

 

その雇用には、以前は社内に存在しなかった、熟練した役割を必要とする、700種類の新しい職種が含まれるという。

 

さらに「アマゾン・ロボティクス」のチーフ・テクノロジストであるタイ・ブレイディ氏は、シアトルで開催されたメディア向け説明会で、完全自動化された倉庫を将来持つことにはならないと発言。

 

「物流プロセスでも、より高いレベルで考える能力、問題を診断する能力において、人間は中心になっています。私の中では、それ(完全自動化された倉庫)が現実になるとは思っていません」と述べている。

 

ただしイギリス最大の労働組合「全国都市一般労働組合(GMB)」のルグ、スチュアート・リチャーズ氏は、次のように語っている。

 

「アマゾンは何年もの間、労働者をロボットのように扱ってきました。アマゾンの自動化は、真っ先に雇用を奪う競争です。すでにフルフィルメント・センター(物量拠点)では、何百もの雇用が消滅しています」

 

アマゾンはここ数年、コスト削減の圧力が高まるなか、ロボットの活用を強化しているという。(了)

 

出典元:BBC:Amazon trials humanoid robots to ‘free up’ staff(10/19)

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