ウクライナ上空に6つの気球が出現、ロシア軍の偵察用の可能性
ウクライナ上空に2月15日、ロシア軍のものと思われる複数の気球が現れたという。
偵察装置を搭載していた可能性
ウクライナの首都・キーウの上空に6つの気球が現れ、そのすべてがウクライナ軍によって撃墜された。
「テレグラム」に投稿された内容によれば、それらの気球は反射板や偵察装置を搭載していた可能性があるという。
またこれらは風の推進力を受けて空中を移動していたが、いつから気球が首都の上空を飛行していたのかは、明らかになっていない。
ウクライナ空軍のユーリー・イナット報道官は、テレビのインタビューで次のような見方を示した。
「ロシア軍は気球を偽の標的として使いました。彼らは我々の防空機能を、気球に対して機能させたいのです。ロシア軍は、弾薬と我々の注意をそらすために、我々の防空能力を消耗させる必要があるのです」
「24時間攻撃されている」
一方、ロシア国防省は、ロシア軍が東部ルハンスク州の戦線にある、ウクライナ軍の2つの防衛線を突破したと発表した。(ただし、場所がどこなのかは明らかにしていない)
ウクライナのHanna Maliar国防副大臣も、ロシア軍の攻勢を認めており、テレグラムにおいて「東部では敵の攻勢が続いており、昼夜を問わず(24時間体制で)攻撃されている。状況は緊迫している。そう、我々にとっては困難な状況だ」と投稿している。
しかし同時に、Maliar国防副大臣は「我々の戦闘員は敵の目的達成を許さず、非常に深刻な損失を与えている」とし、「ワグネル」の一部の突撃部隊が、戦力の80%を失ったとの見方を示した。
「ワグネル」の影響力が低下か?
その「ワグネル」の創設者であるエフゲニー・プリゴジン氏は2月15日、ウクライナ東部の兵舎に集まった戦争推進派のブロガーや国営ジャーナリストに対して、「ワグネル部隊の数は減少し、我々が望むような任務の範囲も遂行できなくなるだろう」と語ったという。
プリゴジン氏は「皆さんは、我が隊への囚人の勧誘が停止されたことを聞いていると思います」と語り、傭兵グループがウクライナで困難に直面していることを認めた。
「ワグネル」は、ロシアの刑務所にいる約4万人の囚人と契約していたが、先日彼らを徴兵することを停止すると発表していた。しかし、その理由は明らかにされていない。
この動きは、ロシア保安機関からプリゴジン氏に対する反発が高まっていることの表れとみられ、最近はロシア政府内における彼の政治的影響力が弱まっているとも囁かれている。(了)
出典元:The Guardian:Ukraine ‘inflicting very serious losses’ on Russian troops in the east, says Ukrainian official – as it happened(2/15)