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天文学に貢献した2人の英女性、名前が小惑星につけられる

天文学に貢献した2人の英女性、名前が小惑星につけられる
NCAR/The Royal Observatory Greenwich
イギリスで、過去に天文学に貢献した2人の女性を称え、小惑星に彼女らの名前が付けられることになった。  

英国天文協会が推薦

  その女性らとは、アニー・マウンダーさんと、アリス・エヴェレットさんだ。   彼女たちは1880年代に、ケンブリッジ大学のガートン・カレッジで数学を学んだ友人同士で、英国天文協会(BAA)の初期のメンバーだったが、長年功績が評価されてこなかったという。   そこで英国天文協会は、今回2人の名前を小惑星に付けるよう、全天調査を行っている組織「カタリナ・スカイ・サーベイ」に推薦したそうだ。  

王立天文台で働き始める

  2人は大学で優秀な成績を残したにも関わらず、当時の多くの女学生と同じように、学位を授与されなかったという。   卒業後、2人はグリニッジの王立天文台で「レディ・コンピューター」の仕事に就いたそうだ。   「レディ・コンピューター」とは、星の位置を測定し、天文表に変換する仕事のこと。   学年でトップの成績を残したマウンダーさんは、この仕事に就く前に、月給4ポンドの増額を申請したが、結局願いはかなえられなかったという。  
NCAR
  その後、マウンダーさんは、上司のエドワード・ウォルター・モーンダーさんと結婚。彼女は夫のボランティア・アシスタントとして働き続け、夫と共に世界各地に遠征し、皆既日食の撮影に成功したそうだ。   また1916年まで、男性だけの王立天文学会の会員になることを拒否されたマウンダーさんは、科学論文を発表することができず、夫と共に書いた本にも名前が載せられなかったという。  

天文学者として収入を得るのに苦労

  一方、エヴェレットさんは、1年間に2万2000個の星の位置を観測・測定。星の軌道に関する論文を2本発表したにもかかわらず、天文学者として自活するだけの収入を得るのに苦労したという。  
The Royal Observatory Greenwich
  35歳の時、エヴェレットさんは関連する光学の分野で働き始め、1903年にロンドン物理学会の機関誌に、女性として初めて論文を書いたそうだ。   その後、国立物理学研究所で物理学者として第二のキャリアをスタートさせ、1925年に退職。60歳で電気のエンジニアとして第三のキャリアをスタートさせたという。   そしてテレビの発明者であるジョン・ロジー・ベアード氏とともに、彼女はテレビ光学に関する共同特許の申請に成功。1926年には、テレビ映像の最初のデモンストレーションに立ち会ったとされている。   当時、彼女たちの多くは、自分の可能性を実現するためには、優秀な男性よりも優れていなければならないと自覚していたという。   そして今回、小惑星にエヴェレットさんとマウンダーさんの名前がつけられ、彼女たちの科学的貢献がようやく認められることになった。(了)   出典元:The Guardian:Giant leap for women: early ‘lady’ astronomers have asteroids named in their honour(9/10)

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