母子をシリアで再会させるため、英アーティストがジェット機をチャーターし飛ばす
イギリス出身のロックバンド、「ピンク・フロイド」の元メンバーが、生き別れた母と息子らの再会に尽力したとして、注目を集めている。
母親から引き離された息子たち
子供との再会を望んでいた母親とは、カリブ海の島、トリニダード(トリニダード・トバゴ)で暮らすFelicia Perkins-Ferreiraさん。
彼女の2人の息子(現在は7歳と11歳)は、2014年に父親によって無理やり母親から引き離され、シリアへと連れて行かれたという。
そして父親はISISのために戦い、2017年の戦闘で死亡(推定)。その後、2人の息子らは継母によって、国境へと連れてこられたそうだ。
しかし継母はそこで子供たちを捨て、結局2人の息子はシリア北東部にあるクルド人自治区の難民キャンプへ収容されることに。
自家用ジェットでシリアへ
人権派弁護士であるClive Stafford Smith氏は、Feliciaさんの苦境を聞き、やがて友人の1人に助けを求めたという。
その友人というのが、ピンク・フロイドの創設メンバーだったRoger Waters氏だ。(現在は正式に脱退している)
Waters氏はFeliciaさんの話に心を動かされ、プライベートジェットをチャーターすることを決心。自身も乗り込み、まずFeliciaさんを乗せるためにトリニダード島へ向かい、その後6000マイル(約9700km)離れたイラクにあるシリアとの国境の町へ飛び立ったそうだ。
現地に到着したFeliciaさんは、弁護士のSmith氏とともに国境を越え、シリアへ入国。北東部クルド人自治区の行政首都、Qamishliにある、息子たちが収容された難民キャンプへ入っていく。
Waters氏はChannel 4 Newsのインタビューで「私は彼らが戻ってくるのを心配して待ちながら、何時間も何時間も、何時間も過ごしました」と語っている。
子供と再会したFeliciaさんたちはその後車に乗り、再びイラクとの国境へ。そしてついに真夜中頃、無事にプライベートジェットへたどりついたという。
ロンドンでカウンセリングを受ける
難民キャンプで母親と再会した子供たちは、喜びのあまり泣き出したそうだ。
その後、家族はジェット機でシリアからスイスへ送られ、トリニダードへ帰る前にロンドンでトラウマによる後遺症のカウンセリングを受けたとされている。
今回の件に積極的に関わったのは、人権NGO団体「Reprieve」の創設者で弁護士のSmith氏とされているが、その後リポーターに対して、「NGO団体は親子が確実に、生産的でつつましい生活を営めるようにしたい」と述べている。(了)
出典元:Good News Network:Pink Floyd’s Roger Waters Uses Private Jet to Reunite Mom With Sons Who Were Abducted to Syria(2/3)
出典元:The Telegraph:Pink Floyd frontman Roger Waters uses private jet to reunite children of Isil fighter in Syria with mother(1/22)