お金を払えない患者のために、社会奉仕活動を手術代として受け取る医師
患者が手術費用を、ボランティア活動の時間で支払えるという外科クリニックが米国にある。
米国ネブラスカ州の整形外科医・Demetrio Aguila IIIさんが最近始めたのがこの制度「M25プログラム」。利用者の第1号がボランティア活動を終わらせ、来年1月に手術を受ける予定だ。
医療費で破産する人たちを救う
ネブラスカ州ノーフォーク市で「Healing Hands」という外科クリニックを開業するAguila医師は、地元の慈善団体と手を組んで、手術費用をボランティア活動で支払える「M25プログラム」を始めた。その理由は、医療費に家計を圧迫されて苦しむ人たちを見ていられなくなったからだという。
私は、これまで何年もの間、患者の手術を行い、健康と医療に関するケアを続けてきました。けれど、そうやって良くなった患者が、数ヶ月後あるいは数年後、医療費の負担で経済的に破滅するということがありました。その原因を作ったのは、あるいは原因の一端となったのは、私なのです。
ボランティア活動の時間で支払い
「M25プログラム」を利用する患者は、クリニックと提携している慈善団体の中から一つを選び、そこで自分ができるボランティア活動を行うことになる。手術費用に応じて、活動の合計時間が決められる。
今年10月、Jeffrey Jensenさんという、プログラムの最初の利用者がボランティア活動による支払いを済ませた。彼は、脚の痺れを取るための手術を、来年1月に受ける予定だ。必要なボランティアの時間は560時間だった。
560時間というと長いようだが、患者の家族や友人が協力してもよいことになっている。Jensenさんも家族・友人たちの助けを得た。
Aguila医師は、プログラムを利用したJensenさんのケースが他の医師を刺激して、各地で同様の取り組みが行われることを願っている。
今のところ、「M25プログラム」に協力する地元の慈善団体は、孤児を支援する「Orphan Grain Train」とホームレスを支援する「Least of Our Brethren」の2つしかない。プログラムが定着すれば協力してくれる団体も増えて行くだろう、とAguila医師は語っている。(了)
出典元:Good News Network:Surgeon Fights Medical Debt by Allowing Patients and Families to Pay for Surgeries With Volunteer Work(12/19)
出典元:1011 Now:Norfolk doctor lets patients pay for surgery through volunteer work(12/18)