恩師を救うため少年が競り市で売った豚、善意のバイヤーたちが買って返却し続ける
大好きな先生を助けるために、自分が育てた豚を競り市(オークション)で売った少年が、バイヤーたちから思わぬ援助を受けた。
バイヤーたちは事情を知り、その豚を買っては少年に返し、買っては返し、を続けたのだ。
大好きな先生が学校を辞める
米国ウィスコンシン州エヴァンズビル市に住むWaylon Clitsman君(15歳)には、大好きな先生がいた。
内気で友だちの少ない彼を気遣い、よき話し相手となってくれたKim Katzenmeyerという女性教師だ。
ところがそのKatzenmeyer先生が学校を辞めることになった。4歳になる姪が小児ガンの一種である神経芽腫になったことをきっかけに、病気に関連したチャリティー活動に専念するためだった。
先生は学校を辞めるだけでなく、教師という仕事そのものをやめる気でいたという。
先生の決心が固いのを知ったWaylone君は、先生に協力してチャリティー団体に募金することにした。農場の子供である彼には自分が育てた豚がいる。それを競り市で売って、募金のためのお金を作ろうと彼は考えた。
一度買ったバイヤーが豚を返却
競り市では豚の体重1ポンド当たりの価格で取引きされており、通常1ポンドに3〜4ドルの値がついている。
ところが、地元のバイヤーたちはWaylone君の事情を知っており、おそらく彼を助けようと思ったのだろう、競りが始まると値段は11ドルにまで跳ね上がった。
1回目の競りの様子がYouTubeにアップされている。豚の写真を持って中央に立っているのがWaylon君だ。
結局最高値で競り落としたのはDan Drozdowiczという人だったが、彼は一度買った豚を、その場で寄付として競りに戻した。
そのため、2番目に高い値をつけたバイヤーが買えることになったが、その彼も1ポンド10ドルの値で買った後、やはり豚を寄付として競り市場に返却したのだ。
そうなると3番目の値を付けたバイヤーが買えることになるが、そのバイヤーDave Mollさんもまた同じことをした。
Mollさんは海外メディアの取材を受けており、その時の心境を正直に話している。
最初はそんな高値で買う気はありませんでした。一度買った豚を返す気もありませんでした。でも、前の二人がそうしたのを見て、それが正しいことのように感じたんです。だから同じようにしたんです。
結局、豚は4人目のバイヤーが買い取り、Waylon君は先生のチャリティー活動のために合計10,070ドル(約110万円)を集めることができた。
Waylon君は海外メディアに、こう話している。
競り市の様子はこれまで見てるけど、こんなのは初めてだ。普通は1回売られて終わりなのに! 買った人が「これを返す(give it back)」と言うたびに、僕の夢は膨らみました。
Waylon君は、チャリティーへの寄付をこれで終わらせる気はない。秋には自分で育てた3エーカー(約12,140平方メートル)分のカボチャを競り市に出すつもりだ。(了)
出典元:CNN:A teen wanted to auction off a pig for a cancer charity. Buyers kept returning it so he could sell it over and over. (8/10)
出典元:Liftable:Buyers Keep Returning Pig so Teen Can Keep Auctioning It off To Raise Money for Cancer(8/11)