「パレスチナ人を狙撃、命中、歓声」新たな動画にイスラエル国内でも批判
パレスチナ自治区ガザでデモが行われ、30人のパレスチナ人が撃たれて死亡している中で、新たにイスラエル兵士が狙撃する瞬間を捉えた動画が公開された。
命中した瞬間、兵士が歓声を上げる
その動画はかなり以前にイスラエル兵によって撮影されたものとされ、映像にはスナイパーがパレスチナ人男性を狙撃するシーンが映っていた。
そのパレスチナ人男性はガザ地区で、イスラエルとの国境に設置されたフェンス付近にいたという。しかし映像から見ても男性はただ立っているだけで、明らかに兵士らに脅威を与える様子はない。
にも関わらずイスラエルのスナイパーは男性を撃つよう命令を受け、狙いを定める。そして発砲。弾はパレスチナ人男性に命中し、彼はその場に倒れた。
この様子はそばにいたもう1人のイスラエル兵によって撮影されたとみられ、弾が命中した瞬間、兵士たちが歓声を上げる様子も記録されている。
イスラエル国内で映像が放送される
この動画は今週の月曜日(4月9日)に、イスラエル国内でメディアにより放送されたという。
またYouTubeにもアップロードされており、イスラエルの左派のメディア「Haaretz」によって投稿された。
イスラエル軍はこの映像について、数カ月前のものと考えられるとし、この問題について徹底的に調査を進めるつもりだと述べている。
イスラエルの退役軍人会も批判
もっともこのような出来事は、決して新しいものではない。3月下旬から始まったデモにより、今まで30人のパレスチナ人がスナイパーなどにより射殺され、2500人以上がケガを負ったという。
その度にイスラエル軍は、スナイパーによる狙撃は国境のフェンスを守るためであり、またパレスチナ人が石や火炎瓶を投げたり、タイヤを燃やして煙幕をはったりすることにより、兵士らに危害が及ぶのを防ぐためだと説明。
また多くの人々が国境に押し寄せて大規模な流血の事態になるのを防ぎ、武装組織「ハマス」がデモによる抗議活動を武装攻撃の隠れ蓑に使うことを防ぐためだと主張してきた。
しかし先週の金曜日には、「プレス」という印をつけたガザ地区のパレスチナ人ジャーナリスト、ヤーセル・ムルタジャさん(30)もイスラエル軍に射殺されたことで、国際的に批判を浴びている。
さらに今回の映像が浮上したことで、現在の政策に反対するイスラエルの退役軍人組織も、ついに沈黙を破り「これは数カ月前の出来事ではない。(イスラエルがエジプトからガザを奪った)51年前からずっとこうだ」とツイッターに投稿、批判した。
「Btselem」とよばれるイスラエル国内の人権団体も「今回公開されたビデオの中のような事件は、ガザ地区で数週間前にも何百回と起きています。イスラエルの政治家と軍上層部の完全なサポートにより、多くの死者やケガ人が出ているのです」と非難。
さらに「Btselemは、脅威を与える様子のない人々を撃つよう兵士に命じた、明らかに違法な命令について、嘆き悲しんでいます」と語っている。(了)
出典元:INDEPENDENT:Israeli forces caught in video shooting Palestinian man then whooping(4/10)
出典元:The New York Times:Video Shows Israeli Forces Shooting a Palestinian, Then Rejoicing(4/9)