誰も乗っていない「幽霊船」がビーチに漂着、意外な真相が明らかに
先月、アメリカのフロリダ州のビーチに、誰も乗っていない帆船(もしくはヨット)が打ち上げられ、注目を集めた。
近隣住民の関心を呼ぶ
その帆船は6月18日、フロリダ州の町、ペンサコラにあるパンハンドル・ビーチに打ち上げられたという。
ミシシッピ州在住の女性、フランシーヌ・ファラーさん(46)は18日の夕方、誰も乗っていない45フィートの帆船が、不気味に浮かんでいるのを見て、自分の目が信じられなかったそうだ。
彼女によれば、その帆船はボロボロで、幽霊のように、ただ近づいてきたという。
やがて船は海岸に打ち上げられ、砂浜に浮かぶ帆船の奇妙な光景は、すぐに近隣住民の関心の的になったそうだ。
地元住民の気象学者であるアリー・ギャレットさん(35)も、「私たちはそれを『幽霊船』と呼んでいました。ペンサコラの海岸一帯ですぐに『幽霊船』として知られるようになりました」と述べている。
係留場所から流されてきた?
そもそもフロリダ州では、ハリケーンの季節に強風により、係留場所から流される船がよく見られるという。
ファラーさんも「私たちは、誰かがしっかりと固定していなかったため、このヨットがマリーナから外れただけだと思っていました」と語っている。
しかしこの「幽霊船」は、この海岸に打ち上げられるまでに、複雑な航海をしていたことが判明した。
持ち主は激しい天候で救助されていた
地元の人々がSNSに、この船の写真を投稿して間もなく、写真はマイケル・バーロウ氏(39)の目に留まったという。
バーロウ氏は数週間前に、メキシコ湾で沿岸警備隊の救助活動中に命を救われており、その船が5月にフロリダ州で購入した、自分の「レディ・キャサリン3世号」であることをすぐに認識したそうだ。
バーロウ氏は5月21日、友人と「キャサリン号」に乗り、フロリダ州のフォートピアースを出港。テキサス州ロックポートに停泊する予定だったが、途中強風と巨大な波に襲われ、「キャサリン号」が航行不能になったという。
そして6月1日、救援要請を受けた沿岸警備隊のヘリコプターと監視機が、「キャサリン号」に乗っていたバーロウさんと友人を発見。無事救助した。
しかし「キャサリン号」はそのまま、海を漂い続け、今回フロリダ州のビーチに漂着することになる。
今後、この船はどうなるのか?実は解体したとしても、またドックへ運んで修理しても、高額な費用が掛かるため、バーロウさんは支援サイトで協力を求めているという。(了)
出典元:NBC:‘Ghost ship’ belongs to Texas man whose world sailing dreams might be dashed(7/1)