ミャンマーの大地震で2056人が死亡、最終的に死者が1万人超になる可能性

ミャンマーで起きたM7.7の大地震により、さらに死者数が増えており、支援が必要とされている。
救助活動が道路や橋の損壊で阻まれる
ミャンマーの軍事政権は3月31日、地震による死者が2056人に達したと発表。また報道官は、さらに270人が行方不明で、3900人が負傷したと述べた。
しかし地震活動を監視しているアメリカ地質調査所の予測モデル推定によると、死者数は最終的に1万人をはるかに超える可能性があるという。
世界保健機関(WHO)は、最新情報を更新し、「救助活動が道路の損壊、橋の崩落、通信の不安定化、内戦に伴う複雑さなどにより、大きな障害に直面している」と指摘。
また「地震の被害で、被災地の医療施設は機能不全に陥っており、負傷者の流入への対応に苦慮している。外傷および外科治療、輸血用品、麻酔薬、必須医薬品、メンタルヘルス支援が緊急に必要だ」と述べた。
アメリカの支援が出遅れる
ミャンマーの中央部では、住宅や宗教施設、学校、大学、ホテル、病院がすべて被害を受けたり、破壊されたりしており、救助ボランティアは、倒壊した建物から人々を救出し続けている。
ミャンマーの軍事政権は、国際社会に対して救助を要請。これを受け、ロシアや中国は支援物資を送り、人員も派遣し、インドやタイ、マレーシア、シンガポールも支援物資を送ったという。
アメリカの国務省も3月31日、「USAID」のチームが、最も差し迫ったニーズを特定するためミャンマーに向かっていると発表。しかしこれは他の国に比べ、出遅れる形となった。
トランプ政権は、「USAID」の予算と人員を大幅に削減し、人道支援機関がミャンマーでのプロジェクトから撤退を始めていたという。
ただ、アメリカ国務省のタミー・ブルース報道官は、資金と人員の削減が「USAID」の対応を妨げていることを否定。被災者への支援のため、ミャンマーのパートナーと協力していると述べた。
しかし昨年2月まで国務省の人道支援局長を務めていたサラ・チャールズ氏は、政府効率化省による予算削減により、災害発生後、24時間以内に開始されるはずだったアメリカの緊急対応が遅れたと指摘している。(了)
出典元:The Guardian:Myanmar earthquake death toll tops 2,000, as health system ‘overwhelmed’(3/31)