チェコで台湾副総統の車へ衝突を計画、中国の情報機関が企てる

昨年、チェコ共和国を訪問した台湾の副総統の車に、中国の情報機関が衝突させようとしていたことが明らかにされた。
中国大使館に所属する人物の犯行
台湾の蕭美琴副総統は昨年3月、チェコ共和国の首都・プラハを訪問。昨年1月に当選し、これが初めての公式訪問だったという。
しかし今年の6月26日、チェコの情報機関は、この時、中国の情報機関が蕭美琴副総統の車両に衝突させようと計画をしていたと明らかにした。
チェコの情報機関は地元メディアに対し、この事件はプラハ駐在の中国大使館に所属する外交官と情報機関員による、より大規模でエスカレートする計画の一環だったと語ったそうだ。
「危険にさらすところまでに至った」
当時は、中国外交官らの乗った車が、空港から蕭美琴副総統の車両を追跡中に、信号無視をしたと報じられていた。
チェコ軍情報局のPetr Bartovský局長は6月26日、公共ラジオ局「イロズラス」に対し、信号無視をしてチェコ警察に止められた運転手は、蕭美琴副総統を追跡していただけだったと述べたという。
ただチェコ情報局はその後、中国大使館による「示威的に直面させる」ための計画として特定し、それが副総統の車両に衝突させる試みだったそうだ。
チェコ軍情報局のJan Pejšek報道官も、この計画には中国の民間情報機関も関わり、準備段階にとどまっていたが、中国側の行動は副総統を「危険にさらすところまで」に至ったとし、次のように述べた。
「外交関係に関するウィーン条約に基づく義務に明白に違反するこれらの行為は、プラハの中国大使館に外交官として勤務する人物らによって行われた」
台湾側は中国政府に謝罪を要求
対中国政策を担当する台湾の大陸委員会は6月27日、中国の行動を非難し、「蕭副総統とその随行員の身の安全を深刻に脅かした」と述べ、中国側に説明と公式の謝罪を求めた。
一方、中国外務省の郭嘉昆報道官は27日、中国の外交官が「常に受け入れ国の法律と規則を遵守している」と主張。
チェコ政府は蕭副総統の訪問を許可したことで「中国の内政に著しく干渉した」と非難し、蕭副総統を「強硬な台湾独立分離主義者」と呼んだという。(了)
出典元:The Guardian:China ‘planned car collision’ during Taiwan vice-president’s visit to Prague(6/28)