【動画】シアトルで車椅子の高齢男性が発砲され重傷。背景に「名誉詐称」めぐる口論【閲覧注意】

米ワシントン州シアトルで7月31日、車椅子に乗った68歳の男性が至近距離から発砲され、胸部に重傷を負う事件が発生した。容疑者の男は、5年前に別の事件で逮捕歴があることも明らかになっている。
動画に撮られた事件の瞬間
事件が発生したのは、シアトルの臨界エリアに広がる、観光客にも人気のウォーターフロント。32歳のグレゴリー・ウィリアム・ティム容疑者が、68歳の車椅子の男性を至近距離から発砲した。
その時の動画がこちらだ(発砲シーンが含まれているため閲覧注意)。
ADVERTENCIA: IMÁGENES FUERTES
Un altercado en el paseo marítimo de Alaskan Way en el centro de Seattle terminó en un tiroteo que dejó herido a un veterano de la Marina de 68 años en silla de ruedas. El sospechoso es Gregory William Timm, de 32 años. pic.twitter.com/sEMrJcZTbB
— Extra de Morelos (@ExtraMorelos) August 14, 2025
周辺に子供や高齢者もいる場所であったことがよくわかる。
発砲した後、ティム容疑者は「みんな心配ないよ」と言いながら、銃のマガジンを外し、スライドを引いて弾を抜き、安全を確保する動作を行った。さらに車椅子の男性に向かって「IDを見せろ! 俺に拳銃を向けやがって」と発言している。
何が原因か
この事件を担当するキング郡検察によると、2人は「名誉詐称(stolen valor)」をめぐって口論していたという。
「名誉詐称(stolen valor)」とは、軍歴や受章歴について詐称することだ。今回、ティム容疑者が「IDを見せろ!」と発言していることから、車いすの男性の退役軍人の詐称を疑っているのだろう。20年以上勤務し、退役した軍人や障害退役者などには、退役軍人IDが発行される。
動画の前には、ティム容疑者は男性に退役軍人である証拠を求めたという。しかし、男性が財布を取り出そうとした際に、ティム容疑者が軍人パッチ(軍人の所属、階級、任務、専門分野などを示す布製のワッペン)を奪ったため、男性はナイフを取り出して追いかけることとなった。男性はホルスターに装着していたエアソフトガンも取り出そうとしたが、構える前にティムが発砲したという流れだ。
男性は胸部を撃たれて重体ではあったが、安定した状態で病院に搬送され、回復に向かっていると報道されている。
被害者となった男性は、地元ではよく知られた人物で、ウォーターフロントで音楽を演奏し、観光客と交流していたとの証言もある。なぜティム容疑者が名誉詐称を疑ったのかは明らかにされていない。
容疑者は正当防衛を主張する方針
ティム容疑者の弁護士は、被害者がナイフと模造銃を所持していたことから「正当防衛」を主張する方針だ。ただし、検察側は「車椅子に座る脆弱な被害者に対する不必要な暴力行為」として、第一級傷害罪で起訴。保釈金は75万ドル(約1億986万円)に設定された。
また、2020年2月にティム容疑者は、フロリダ州ジャクソンビルでトランプ陣営の選挙活動用テントに、車で突っ込む事件を起こしている。この時、6人のボランティアがテントにいたが、幸運にもケガ人はいなかった。
シアトル市長のブルース・ハレル氏は「これは個人間の衝突による事件であり、街の安全対策は継続して強化していく」とコメントしている。(了)
参考:Komo News「‘Stolen Valor’ accusation led to Seattle waterfront shooting, charges say」(8/6)
参考:Komo News「Video shows seattle waterfront shooting」(8/13)
参考:USA TODAY「Man who rammed Trump tent in Jacksonville jailed in Seattle shooting」(8/13)