ただのアートと思いきや本物…美術館で作品の“穴”に落ちてしまった男性が話題に
美術館でアート作品として展示されていた“穴”に男性が落ちてしまい、話題となっている。
誤って穴に転落し負傷
この珍事が発生したのは、今月13日のこと。場所はポルトガル北部に位置する港町ポルトにあるセラルべス美術館だ。
アート作品の“穴”に転落したのは60代のイタリア人の男性で、穴の近くを歩こうとした際に転落。
怪我を負ったため近隣の病院で手当てを受けたが、命に別状はないという。
一方、美術館はこの事故を受け、安全強化のため展示を一時閉鎖。
ただ展示にはこれまでも注意を促す指示や、訪れた人が穴に転落しないようスタッフが目を配るなどといったことが行われており、このような事故は“穴”の展示が開始されてから初めてとのことだ。
Man falls into black hole art exhibit in Portugal: Anish Kapoor's "Descent into Limbo" lived up to its name when a man accidentally tumbled into the exhibit in Portugal. The man fell several feet down after mistaking the hole for… https://t.co/BAh0cFFplH https://t.co/D4HuBWyqIW pic.twitter.com/Yx4qvp5xav
— Headlines Center (@HeadlinesCenter) August 24, 2018
問題のアート作品とは?
しかし問題のアート作品とは、一体どのようなものだったのだろうか。
作品はインド出身の現代芸術家アニッシュ・カプーア氏が1992年に手掛けた、“Descent into Limbo(辺獄への下降)”と題されたもの。
この作品を鑑賞する際には、訪れる人はまず灰色のキューブ型の建物の中へと入る。
するとその中央にぽっかりと存在するのが、問題の穴だ。
この穴は中が真っ黒に塗りつぶされているため、どこまでも深く広がっているかのように見える一方、ただ単に床に描かれただけのようにも見えてしまう。
そのため男性は誤って足を踏み入れてしまったようだ。
実際の穴の深さは2.5メートルほどあったという。
ちなみにカプーア氏は2016年、“ベンタブラック”と呼ばれ、ナノチューブから構成され可視光の99.6%をも吸収する地球上で最も黒い物質の使用権を獲得。
問題の穴の塗装にこの物質が使用されていたか否かは明らかとなっていない。
事件にはアーティスト本人もびっくり
一方、この事故の知らせはカプーア氏本人の元にも届いている。
しかしこれについてカプーア氏は「いったい何が言えるっていうんだ?残念なことだ」とコメント。少々戸惑いを隠せない模様だ。
アート作品の“穴”に落ちるという前代未聞の事件。美術館を訪れる際には、くれぐれも指示を守って鑑賞することを心掛けたいものだ。(了)
出典:The Guardian:Holed up: man falls into art installation of 8ft hole painted black (8/21)
出典:Deutsche Welle:Man falls into black hole art exhibit in Portugal(8/23)
出典:Mashable:Man falls into black hole at museum because not even art is safe anymore(8/21)