詐欺広告に騙され教会の基金1500万円を横領したとして、ドイツ人司祭失職
教会のための基金12万ユーロ、日本円にして約1535万円もの額を詐欺広告に騙されて横領したドイツ人司祭が注目を浴びている。
基金流用をミサの場で感情的に告白
教会のための基金12万ユーロを横領したとして注目を集めているのは、ドイツ中央部に位置する町、バレンシュテットの聖エリザベス教会で司祭を務めるBernard Gawlytta容疑者(64)。
Gawlytta容疑者は今月18日、自らの過ちを約40人もの人が集うミサの場で告白。
それによるとGawlytta容疑者は、偽の宝くじを運営する“インターネット上の詐欺広告に騙された”という。
さらに“複数回にわたり資金を送金する”ように仕向けられたとしており、数回にわたり基金を横領してきたことを認めている。
Gawlytta容疑者は既に警察に出向くと共に、教区長にも自らの過ちを告白しているそうだ。
“当選金”を受け取るための手数料を支払う
聖職に務める男に、なぜこのようなことが起こってしまったのか。
伝えられるところによると、Gawlytta容疑者の教会基金横領のきっかけとなったのは2017年春、スペインの宝くじに当選し、93万5000ユーロ(約1億1971万円)もの大金を得られると謳うメールを受け取ったこと。
しかし大金を受け取るためには3万5000ユーロ(約448万円)を“手数料”として支払う必要があるとして、Gawlytta容疑者はまずは自らの金を詐欺広告へと支払ったという。
ところが“手数料”を支払った後にも金を要求するメールはさらに届き、疑念を抱きながらも、詐欺広告に払う金を捻出するため、今夏より教会の基金に手を出すようになってしまったという。
Gawlytta容疑者はこれについて、“思考が停止していた”としている。
失われた教会基金はどうなる?
一方、気になるのは詐欺広告へ支払うために費やされてしまった教会基金の行方だ。
これについて聖エリザベス教会が位置する教区のGerhard Feige司教は、声明において“教会指導者と聖職に務める者が教区のための基金を横領することは許されない”とコメント。
さらに“全額を返金すると共に、州法と教会法の下における結果に耐えなければならない”と厳しい姿勢を見せている。
詐欺広告に騙されて巨額の教会基金を流用してしまうという前代未聞の事件。甘い謳い文句に誘われて大金を費やしてしまうことがないよう、くれぐれも注意したいところだ。(了)
出典:The Local Germany:German priest confesses at Sunday mass to embezzling church funds for lottery(11/19)
出典:RT:Lured by Satan? German priest admits at Mass that he stole €120,000 of church funds for lottery (11/20)