クジラに飲み込まれそうになったダイバー、生還できた理由とは?【動画】
海でダイビングをしていた男性がクジラの口に飲み込まれるも、危ういところで脱出し生還するという事件が起きた。
クジラではなく、サメに気を配っていた
クジラに飲み込まれそうになった男性とは、米国人のRainer Schimpfさん(51)。
Schimpfさんは南アフリカで、15年もの間ダイビングツアーのオペレーターとして働いてきたいわばベテランだ。
事件が発生したのは2月。彼は2人の同僚と共に“サーディン・ラン”と呼ばれるイワシの大群が天敵から逃げ惑う様を撮影するため、南アフリカ共和国南部東ケープ州に位置するポート・エリザベス沿岸を泳ぎに訪れていたという。
この時ヒゲクジラの一種であるニタリクジラが、すぐ傍に迫っていることに全く気付いていなかったというSchimpfさん。
気付いた時にはクジラが口を開け目の前に迫っており、頭から飲み込まれたという。
この際のことを振り返り「どこからともなくクジラが現れ、非常に驚きました」と語るSchimpfさん。
Schimpfさんはクジラではなく、むしろイワシを追い込む周囲のサメに気を配っていたとのことで、クジラについてはノーマーク。
気付いた時にはクジラに飲み込まれ、周囲が“真っ暗”になったという。
Man is caught by a whale – and lives to tell the tale.
Rainer Schimpf says that being grabbed by a 15- metre whale made him realise that humans are only tiny in the scheme of the Earth.
https://t.co/T6j0Y8I69p pic.twitter.com/MI0Sj17OVf— Maria Donnellan Mella Ⓥ (@eyre_mella) March 10, 2019
クジラの口から生還できた理由とは?
しかしSchimpfさんはクジラに飲み込まれてしまいながらも、なぜ生還を果たすことができたのだろうか。
飲み込まれたSchimpfさんは身体に圧力を感じたといい、クジラが海の中へと自分を引きずり込んでいくのではないかと考えたという。
しかしクジラはなぜか、その後すぐにSchimpfさんを吐き出す。
Schimpfさんはこれについて「明らかにクジラは、私が食べたかったものではないということに気付き、私を再び外へと吐き出しました」とコメント。
さらに「クジラは人間を食べる動物ではないんです。だからこれは本当にアクシデントなんです。クジラたちは大きくて、優しい生き物なのです」と語っている。
ニタリクジラは大きいもので最大体重30トン、16メートルほどにもなるクジラで、オキアミやカニ、エビ、さらには様々な種類の魚を餌とすることで知られている。
しかしそんなニタリクジラの口に人間は大きすぎたようだ。
Unappetising. South African Rainer Schimpf falls off the whale-watching tour boat he operates, and into the mouth of a Bryde whale. Schimpf is 51 and perhaps over-ripe; the whale, finding him indigestible, spat him out. Video here: https://t.co/e6ASBaGGru pic.twitter.com/YqaVCeUFC5
— James Hall (@hallaboutafrica) March 9, 2019
Schimpfさんはこのようなことはもう二度と経験したくないと語る一方、こんなコメントも残している。
「15トンもの重量があり、非常に速く動く何かに海の中で一たび捉えられたら、海の中での自分自身が実際にはそれほどちっぽけなものだということに気付かされます」
クジラの口に飲み込まれながらも生還を果たしたSchimpfさん。彼が再びこのような目に遭わぬことを祈るばかりだ。(了)
※下の動画ではダイバーが飲み込まれてはいないが、危うい状況が映っている。
出典:Fox News:Diver survives after being scooped up in whale’s mouth off South Africa(3/12)
出典:Mirror:Diver’s narrow escape after he finds himself inside mouth of huge Bryde’s whale(3/8)