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イランの治安機関が学校で生徒に歌を強要、拒否した女子学生を撲殺

イランの治安機関が学校で生徒に歌を強要、拒否した女子学生を撲殺
Twitter/NEXTA

イランの女子学生が、学校で政府寄りの歌を歌わなかったとして殴られ、その後死亡した。

 

教室に押し入り歌を強要

 

亡くなったのは、イラン北西部の都市・アルダビルで暮らす、少数民族アゼリ族出身のアスラ・パナヒさん(16)だ。

 

イラン教職員組合調整評議会によると先日、治安部隊(革命防衛隊との報道も)がアスラさんらの教室に押し入り、生徒たちにイランの最高指導者であるアリ・ハメネイ師を賛美する歌を歌うよう要求したという。

 

しかし、生徒らは歌を拒否。すると治安部隊は容赦なく生徒らを攻撃し、その後アスラさんは病院で亡くなったそうだ。

 

治安部隊は、アスラさんを撲殺したと考えられ、他の生徒たちも殴られ、現在も1人の女子生徒が重体だと伝えられている。

 

またイラン政権への反対を唱えた、他の多くの生徒も逮捕されたという。

 

教師も校長や教育相の辞任を要求

 

イラン当局はすでにこの報道を否定しており、革命防衛隊に近い報道機関は、アスラさんの叔父の言葉を引用し、彼女が心不全で死亡したと伝えている。

 

しかし10月15日にはアスラさんの死をめぐり、アルダビルの街で抗議デモが発生。アルダビルの教師たちも、アスラさんが通う学校の校長を緊急に解任しない場合、ストライキを行うと述べた。

 

また教師らは、イランのユセフ・ヌーリ教育相が「無能」だとして、辞任を要求。さらにテレグラムで声明を発表し、「専制的な部隊による残忍で非人間的な行動の範囲は、大学、学校、教育の場にまで及び、彼らは大胆かつ不法に学校に入り込み、脅迫を行った」と述べたという。

 

イラン各地で抗議デモ

 

またこの事件は、イラン中の女子学生の怒りを買い、週末には自由のための抗議行動が組織され、多くの女子学生が参加したそうだ。

 

イランでは9月中旬、マフサ(ジナ)・アミニさん(22歳)がヒジャブを適切にかぶっていなかったとして、道徳警察に逮捕され、その後死亡した事件が起きており、それ以来、政府に抗議するデモが各地で広がっている。

 

このデモには多くの学生らも参加しており、何百人もの少女たちも学校や街頭で、スカーフやヒジャブを燃やしながら抗議の声を上げてきたという。

 

10月11日現在、イランに拠点を置く「子ども支援協会」は、こうしたデモで少なくとも28人の子どもが殺されたと主張しており、その多くはスィースターン州およびバルーチスターン州で起きていると述べている。(了)

 

出典元:METRO:Iranian girl ‘beaten to death in classroom for refusing to sing pro-regime song’(10/18)

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