スイスで一家5人が飛び降り自殺、原因は陰謀論か?
スイスで昨年、ある家族が自殺し、その後捜査により事件の背景が明らかになった。
一家が7階から飛び降り自殺
その事件が起きたのは2022年3月24日、場所はスイス南西部にある町、モントルーとされている。
この日、フランスからスイスに移住した家族が、7階のアパートから転落。8歳の少女と父親、母親、母親の双子の妹が死亡した。
一緒に転落した15歳の少年は昏睡状態が続いていたが、現在は回復し、一命を取り留めたという。しかし少年には、飛び降りた日の記憶がないそうだ。
母親と妹が陰謀論を信じる
この事件はスイスを震撼とさせたが、その後捜査が行われ、家族の母親とその妹が、サバイバルや陰謀論に深く関わっていたことが明らかにされた。
2人の女性は政府や自治体を根深く疑い、子供たちに世界は敵対する場所だと思わせるように育てていたという。このため家族はほとんど外出せず、子供たちは自宅で教育されていたとか。
また陰謀論的な発想は、新型コロナの大流行、ロシアのウクライナ侵攻などにより、さらに強化され、この家族の大人たちは、自分たちが恐れている世界とは別の、より良い世界へ旅立つタイミングを待っていたらしい。
アパートの部屋や電子機器を調べると、集団自殺は周到に計画され、リハーサルまで行われていたそうだ。また法医学的な検査でも、死亡前に争った形跡はなく、解剖の結果、薬物の痕跡はなかったという。
自殺のきっかけは警察の福祉訪問か?
ただ集団自殺のきっかけは、モントルー警察の福祉訪問と考えられ、警察は家族の元を訪れ、子供の家庭教育について、地元の教育当局との話し合いに行くように求めたそうだ。
家族はその際、警察を家には入れず、数分後には飛び降り自殺したと考えられている。(了)
出典元:BBC:Conspiracy theorists led family to death in Switzerland(3/21)