動物病院の看板ニャンコ、感染病のリスクがあるとして職務停止に
スウェーデンの動物病院で看板猫として人気を集めていた猫が、感染病のリスクがあるとして職務停止になってしまい、注目を集めているという。
動物病院の看板猫Honey
茶色のふわふわとした毛並みが愛らしい猫、「Honey」はスウェーデン南部に位置する町ハールの動物病院で看板猫として人気を集めてきた。
病院で獣医を務めるLucie Havelkaさんは、P4 Kristianstadの取材に「Honeyの病院での一日は餌を与えられるところから始まります。それから彼女は掃除の手伝いをします。Honeyは掃除機と戯れるのが大好きなんです。その後患者が訪れ始めると、Honeyは待合室へと向かい、どのような状況か確認します」という。
看板猫としての才能を開花させる
Honeyが病院へとやってきたのは4年前のこと。
捨てられて栄養失調に陥っていたHoneyは動物病院へと連れてこられ、その後すぐに看板猫としての役割を果たすようになったという。
「(動物の)患者が神経質になっている際には、Honeyはそのすぐ傍に座りゴロゴロと喉を鳴らします。彼女は空気を読むのに非常に長けており、患者の傍に控えているか、あるいは患者のところへ向かいすり寄るんです」
患者の通報により“職務停止”に
しかし、Honeyの存在には全ての人々が快く思っていたわけではなかった。
彼らの通報により、Honeyの件は行政裁判所へと持ち込まれることとなってしまったのだ。
さらに裁判所は、Honeyの存在が病院を訪れる動物たちの病気に感染するリスクを高めているとの判決を下してしまったという。
「簡潔にお伝えすると、彼女はここにいることはできません。我々は他の解決策を探さなければなりません」というHavelkaさん。
動物病院ではHoneyだけではなく、同じくHoney同様看板猫として人気を集めてきた19歳の猫Oscarも、“職務停止”せざるを得なくなってしまったという。
一方動物病院では25日、裁判所の判決に抗議するための請願書を作成。これについてHavelkaさんはこう訴える。
「既に1000人もの人が請願書に署名をしています。裁判所の判決はばかげていて不当であり、Honeyの存在が非常に価値あるものであるということは、皆がはっきりと感じていることです」
動物病院を訪れる動物たちは、そこで自分の身に何が起きるかわからず、不安な気持ちでいっぱいになっていることも多い。そんな病院の中に同じ動物であるHoneyがいることは、動物たちにとっても心強かったのではないだろうか。
Honeyが再び病院へと帰ってこられる日がくることを願うばかりだ。(了)
出典元:The Local Sweden:Honey the cat forced to quit veterinary clinic duties(2/26)