研究者もびっくり!豪で鷲が鷹のヒナを育てているのが確認される
オーストラリアで白頭鷲が鷹(アカオノスリ)の子供を育てている姿が確認され、注目を集めている。
●「非常に驚くべきこと」
その鷹のヒナが確認されたのはシドニーにある保護地域、Shoal Harbour Migratory Bird Sanctuaryの敷地内。アメリカトガサワラという木に作られた鷲の巣の中とされている。
そこには3羽の白頭鷲のヒナもおり、親鳥らが彼らと同時に、鷹のヒナにもエサを与えている姿が、備え付けられたカメラでも確認されているそうだ。
40年間、カナダのMcGill大学で研究を続けてきた猛禽類の専門家、David Bird氏は取材に対し「鷹のヒナがここまで長く生き続けているという事実は、非常に驚くべきことです。ただ巣立ちをする次の1週間まで生き続けていられるかが、問題です」と語っている。
●鷲が鷹の巣を襲い連れ去った可能性
しかしなぜ、このような出来事が起きたのだろうか。
Bird氏によれば、恐らく白頭鷲は鷹の巣を襲い、1羽もしくは2羽、3羽を捕まえて自分の巣に持ち帰ったのではないかという。
その頃には連れ去られたヒナたちの多くは死んでいたが、1羽だけは例外的に生き残り、このような結果になったのではないか、としている。
Bird氏は取材に対し、次のように語っている。
「私が思うに、小さな鷹のヒナは大きな声で鳴きながら、食べ物を求めたのではないでしょうか。危険であることさえ考えずにね。すると鷲の親は『わかった。口を大きく開けている子がいる。ならエサを口に入れてあげましょう』となったのでしょう」
●鷲の親は熱心に育てている
鷹のヒナは来週には生まれてから5.5週目に入るとみられ、巣立ちの準備も整うという。
しかしまだ白頭鷲の親が心を変えて、鷹のヒナを食べてしまう危険性も残っているそうだ。
ただ巣のそばで見守ってきた研究者のKerry Finley氏は、次のように語っている。
「鷹のヒナがもてなされる姿を見るのはなかなかのものです。白頭鷲の親は、とても気配りが行き届き、いたわっています。もっとも他の3羽の鷲のヒナは、鷹からいつも距離を置いていますけどね。彼らは何かが違うと気づいているのでしょう。鷹のヒナはとても活発です。そのため成長して、1羽でなんとか生活していけるでしょう」(了)
出展元:Vancouver Sun:Bird experts surprised by red-tailed hawk chick surviving in bald-eagle nest(6/7)