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悲しみに暮れるシャチの母親、17日間も死んだ赤ちゃんから離れず運び続ける

悲しみに暮れるシャチの母親、17日間も死んだ赤ちゃんから離れず運び続ける
Center for Whale Research

非常に長い間、シャチの母親が死んだ子供と離れずに、長距離を移動し続けたとして注目されている。

 

赤ちゃんから離れず1600kmも移動

 

そのシャチは「Tahlequah(J35)」と名付けられており、7月に米西部ワシントン州のSan Juan島と、カナダのブリティッシュ・コロンビア州にあるヴィクトリアとの間の沖合で、子供を出産したという。

 

しかし赤ちゃんは生まれて約30分後に死亡。それ以来「Tahlequah」は嘆き悲しむかのように、死んだ子供から離れず、赤ちゃんの頭を水面に持ち上げるような仕草を繰り返しながら、移動しつづけたそうだ。

 

Center for Whale Research

 

そして8月12日、研究者らは「Tahlequah」が死んだ赤ちゃんから離れ、仲間といるのを発見。その結果、このシャチの母親は17日間も子供から離れず、約1000マイル(約1600km)も移動したことが明らかとなった。

 

San Juan島にあるCenter for Whale Research(鯨類研究センター)のKen Balcomb氏は、次のように述べている。

 

「母親の厳しい試練は終わった。彼女は今日、私の窓を戯れながら過ぎていった、他の仲間と共に」

 

August 11, 2018 J35 update: "The ordeal of J35 carrying her dead calf for at least seventeen days and 1,000 miles is…

Center for Whale Researchさんの投稿 2018年8月12日日曜日

過去に2度も赤ん坊を失った可能性

 

またBalcomb氏によれば、このシャチの母親は2010年にオスを産んで以来、恐らく他の2頭の赤ん坊を失っている可能性があるという。

 

そのため今回、子供が死んだことはこの母親にとっても辛く、感情的になったのではないかと語っている。

 

そもそもこのシャチは絶滅が危惧されているJ pod whalesという種とされ、近年はエサとなるキングサーモンの不足から、生き延びることが困難になっているそうだ。

 

そして中には栄養不足から、「peanut head」という頭蓋があらわになる状態になったり、今回のように子孫を残せなかったりすると考えられている。

 

また船などのノイズや有害な物質が海へ流されることで脅威にさらされており、この海域では1995年に95頭いたのが、現在は76頭にまで減っているという。

 

今回、「Tahlequah」も子供から離れないことで栄養不足が心配されたが、今ではしっかり食べており、健康を取り戻していることが確認されているそうだ。(了)

 

 

出典元:METRO:Mother orca finally lets go of dead calf it carried around for 17 days(8/12)

出典元:INDEPENDENT:Bereaved mother orca finally drops calf after carrying corpse for unprecedented 17 days(8/12)

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