3千年前にいたタスマニアデビルが、オーストラリア大陸に戻った
動物保護団体によって人工繁殖された、計26匹のタスマニアデビルが、オーストラリアの地に放たれた。
世界最大の肉食有袋類
タスマニアデビルは、現存する世界最大の肉食有袋類。タスマニア島(オーストラリア)にしか生息していないが、オーストラリア本土からも化石が発見されており、海外メディアによれば、3000年ほど前には大陸部にもいたらしい。
最大とは言っても体長50〜60センチ、体高は30センチほど。子犬ほどの大きさだが、鳥や小型のワラビーなどを骨ごとバリバリと噛み砕いて食べてしまうそう。古くは害獣として嫌われ、駆除が推奨されていたという。
動物保護団体が人工繁殖
絶滅危惧種に指定されているタスマニアデビルは、「デビル顔面腫瘍性疾患(DFTD)」という病気の流行によってさらに減少し、今はタスマニア島に2万5000匹しかいない。
オーストラリアの動物保護団体「Aussie Ark」は、これを人工繁殖させ、9月10日に11匹を、ニューサウスウェールズ州の自然保護区域に放った。それ以前にもテストとして15匹を解き放っているので、計26匹がオーストラリア大陸に戻ったことになる。
Aussie Arkは2011年に設立された団体で、タスマニアデビルやイワワラビーなど、絶滅が危ぶまれるオーストラリア特有の動物を保護する活動を続けている。同団体は、人工繁殖させた動物を野生に近い環境で育てる、というの独自の手法を用いているので、タスマニアデビルがオーストラリア大陸で生き残り、自然繁殖する可能性は高いという。
また、オーストラリアでは、移民が持ち込んだキツネや野良猫が希少動物を絶滅に追い込んでいることが問題になっているが、タスマニアデビルが増えすぎたキツネや野良猫を捕食してくれるのではないかという期待も寄せられている。
Aussie Arkは、さらに40匹のタスマニアデビルを、2回に分けて自然保護区域に放つ予定だ。(了)
出典元:CNN:Tasmanian devils reintroduced to mainland Australia after 3,000 years(10/8)
出典元:Aussie Ark
出典元:Wikipedia:タスマニアデビル