世界最高齢の鳥、70才で子供を作る
世界最高齢の鳥とされているコアホウドリの「Wisdom(ウィズダム)」が、70才にして卵を産み、孵った雛を育てている。
調査された鳥の中で最高齢
学術調査のため、1956年にタグを付けられたWisdomは、これまでに年齢が分かっている野生の鳥の中で最高齢だ。当時の年齢は5才と推測されており、計算すると、今年で少なくとも70才になる。
先月、ハワイ諸島の北西にあるミッドウェー島(環礁)で、彼女(Wisdom)の雛が生まれていることを、合衆国魚類野生生物局(US Fish and Wildlife Service)が確認した。
野生のコアホウドリは生活時間のほとんどを空中か海上で過ごし、巣(コロニー)にはほとんど帰らない。そのため確実には言えないのだが、Wisdomがこれまでに孵した雛は約40羽と考えられている。
また、雌雄のつがいが一生連れ添うのがコアホウドリの習性だが、Wisdomの場合はパートナーが先に死んでしまい、今の相手は数羽目に当たるとのこと。ちなみに、合衆国魚類野生生物局によれば、Akeakamaiという名がつけられた今の相手とWisdomは、2010年から一緒にいるという。
寿命40年という常識を覆した
海外メディアによれば、20世紀初頭まで、コアホウドリの寿命は約40年とされていたそうだ。
ところが2002年、生物学者の間で常識となっていた「40年」が覆る。Chandler Robbinsという合衆国魚類野生生物局の生物学者がミッドウェー島で別の調査していた際、足に壊れかけたタグを付けたコアホウドリを見つけた。新しいものに付け替えるため、捕まえてよく見ると、それは彼自身が1956年に付けたタグだったという。その鳥、Wisdomは40年をはるかに超えて生き、すでに51才になっていた。
毎年巣に戻る度に、長寿記録と、高齢産卵記録を更新しているWisdom。「鳥類愛好家たちを喜ばせているだけでなく、私たち研究者も、海鳥の寿命や子育てについて新しいことを教えてもらっています」と、合衆国魚類野生生物局の研究者は話している。(了)
出典元:Independent:World’s oldest known wild bird hatches new chick at age 70(3/3)
出典元:Metro:World’s oldest bird hatches a baby at the ripe old age of 70(3/3)