何百万ものカニが今年も大移動、潰さないよう道路閉鎖に【オーストラリア】
オーストラリアのクリスマス島で、信じられない数のクリスマスアカガニが、繁殖のために海岸へ移動を開始。島内の道路が赤で覆われている。
年に1度の大移動が始まった
クリスマスアカガニ(学名:Gecarcoidea natalis)は、オーストラリア領のクリスマス島とココス諸島にしかいない固有種。クリスマス島には数千万匹が生息しているといわれ、繁殖期の大移動は島の名物になっている(Wikipedia)。
普段は森の中にいるクリスマスアカガニだが、雨季の始まりにあたる10月〜11月頃になると、月の満ち欠けに合わせて一斉に移動を始める。
オーストラリアの国立公園を管轄する政府機関「Parks Australia」によると、海岸に到着したカニたちは交尾し、雄の方はすぐに森に戻ってしまうそうだ。雌は受精卵を2週間ほど抱き続け、孵化する直前になると海に放出する。一匹の雌は、一度に10万個ほどの卵を産むとのこと。
🎅🦀 Merry Crabsmas 🦀🎅
The #crabcollab that 2021 has been waiting for: Christmas Island red crabs x Crab Rave 🎉.
Migration season means crabs are raving all over the island 🏝️, from the heaving #crabbridge 🦀🌉 to the roads.
📹 Chris Bray
🎵 @NoisestormMusic & @Monstercat pic.twitter.com/AwhSocxFKR— Parks Australia (@Parks_Australia) November 9, 2021
数ヶ月前から備える住民たち
クリスマス島国立公園のマネージャーであるBianca Priest氏は、「大移動する何百万ものカニを守るため、公園のスタッフは(道路に沿って)何キロもの障壁を臨時に作ったり、標識を立てたり、道路を封鎖したりしています」と言う。
住民たちは数ヶ月も前から大移動に備え、カニたちをカニ用歩道橋に誘導する配置で、柵や壁を設置するそう。
今年クリスマス島に移住して来たある住人は、メディアの取材を受けてこう話す。
「クリスマスアカガニの大移動のことは耳にしたり、ビデオで見たりして知っていました。けれど、2021年にここに移って来るまで、自分の目で見たことはなかったんです。時期が近づくと、島の全住民が、いつ始まるだろうかと期待しながら準備をします。10月末に大移動が始まり、今カニたちは、繁殖のために海岸に向かっています」
野生生物のドキュメンタリー製作で世界的に有名なプロデューサーであり、動物学者でもあるデイビッド・アッテンボローという人は、このカニの大移動を「崖や岩場を海に向かって動く、巨大な緋色のカーテン」と形容したそうだ。(了)
出典元:Metro:Millions of red crabs close roads during stunning migration towards ocean(11/18)
出典元:Parks Australia:Native animals