29年間、研究室に閉じ込められていたチンパンジー、初めて自ら外へ出る【動画】
アメリカで、長い間研究室に閉じ込められていたチンパンジーが保護され、空を見て驚くような姿が撮影された。
霊長類の実験を行う研究所
その動画を公開したのは、動物保護団体「Save the Chimps」。
保護されたのは「バニラ」と呼ばれるメスのチンパンジーで、長い間、ニューヨーク州タキシードにある霊長類実験医学外科研究所(LEMSIP)に閉じ込められていたという。
しかし1年前、フロリダ州フォートピアースにある「Save the Chimps」が保護。保護施設に到着して1年後、やっと外へ出て、広い空を見上げたそうだ。その様子がこちら。
1年たっても外へ出る自信がなかった
チンパンジーの保護区のダン・マシューズ氏によれば、「バニラ」は最初、外に出ることに自信がなかったという。
しかし、今回チンパンジーのボスであるオスの「ドワイト」が、「バニラ」を手招きして、外へ連れ出したそうだ。
動画では「バニラ」が「ドワイト」にハグしており、空を見上げて、驚いている様子が映っていた。
生まれてすぐに母親から引き離される
「バニラ」は1995年に研究所で生まれ、すぐに母親から引き離されたという。
そして研究所の動物たちは、金網の檻の中において、不衛生な状態で生活させられ、残酷な方法で飼育されていたそうだ。
この研究所は1990年代後半まで、HIVと肝炎の研究に特化しており、研究者たちはチンパンジーに様々な病気を感染させたという。
しかしその後、霊長類実験医学外科研究所は閉鎖され、100頭以上のチンパンジーが移動させられたとか。
この研究所で生き延びた「バニラ」も、妹の「シェイク」と共に、最終的に「Save the Chimps」の施設に到着したという。
この施設は島にあり、水に囲まれているため、チンパンジーを檻に入れる必要はなく、彼らは自然の中で自由に暮らせるそうだ。(了)
出典元:NYPost:From ‘horrible lab’ to her own island: wild life of Vanilla the Chimp(6/27)