山での不思議な現象「ウォーターメロン・スノー」、雪の表面がピンク色に染まる
アメリカの山で、残った雪がピンク色に染まる不思議な現象が起きている。
紫、オレンジに染まった場所も
その現象が見られているのが、ユタ州北東部にある峡谷、ローガン・キャニオンから、隣のアイダホ州にもまたがるベアリバー山脈にかけてだという。
そこでは山の高い位置にある残雪の表面が、日光に照らされ、うっすらとピンク色に染まっているそうだ。
また紫、オレンジの色合いに染まった場所も点在しており、多くの観光客を魅了している。
「ウォーターメロン・スノー」
この現象は、通称「ウォーターメロン・スノー(watermelon snow)」と呼ばれ、緑藻類が原因で起きると考えられている。
水分量、日照時間、気温、栄養分の有無といった条件がそろうと、低温で成長する「クラミドモナス・ニバリス(chlamydomonas nivalis)」と呼ばれる緑藻類が休眠状態から目覚め、このような色のついた雪が現れるという。
「クラミドモナス・ニバリス」は雪の上に移動し、そこで花を咲かせ、分裂。太陽や紫外線に当たると色が変わり、放射線を吸収してダメージから身を守るそうだ。
ユタ州立大学の生態学者で、寒冷地や高地における生物多様性を研究しているスコット・ホタリング氏は、次のように説明している。
「藻類は、環境中の高レベルの紫外線に関連したダメージを防ぐために、いくらかの色素を必要とします。彼らは自分を守るために、主にその目的で二次色素を生成するのです」
雪が色づいているのは、乾燥した年なら解けている場所。またこのような現象は、フランスのアルプスや日本の出羽三山でもみられる場合があるという。(了)
出典元:ABC News:‘Watermelon snow’ piques curiosities in Utah after abnormally wet winter(6/30)