イランの最高指導者が、トランプ大統領の暴露本を読む姿をインスタに投稿
先日、アメリカはイランとの核合意から離脱すると発表したが、その数日後、イランの最高指導者がトランプ大統領に関する暴露本に目を通す姿をSNSに投稿した。
「炎と怒り」を興味深そうに読む姿
その写真が撮影されたのは先週の金曜日とされ、場所はイランの首都テヘランで行われたブックフェアの会場とされている。
写真はイランの最高指導者であるハメネイ師(Ayatollah Ali Khamenei)のインスタグラムに投稿され、そこには本人がトランプ大統領についての暴露本「炎と怒り(Fire and Fury)」を手に取り、興味深そうに読んでいる姿が映っていた。
この本は今年の1月に発売され、当時はトランプ大統領らその周囲の人々の様子を赤裸々に語ったものとして話題となった。
作者のMichael Wolff氏は本の中で、ホワイトハウスでの生活は混沌としていると主張。さらにトランプ大統領が友人の妻を追い回していたことや、長女のイヴァンカさんが陰で大統領の髪型をからかっていたことなども書かれていたという。
もっともトランプ大統領は、この本に書かれている内容を否定。さらにWolff氏を詐欺師と呼んでいる。
オバマ大統領が署名した核合意
そもそもイランの核合意はイランとアメリカ、イギリス、フランス、中国、ロシアそしてドイツなど、多国間で合意されたもの。
イランが核開発を制限している間は、経済制裁を解除するという内容で、この合意にについてアメリカ側はオバマ前大統領が署名した。
しかしトランプ大統領は、イランとの核合意には根本的に欠陥があると主張。5月8日に多国間で交わされた核合意から離脱することを宣言した。
フランス、ドイツが説得するも失敗
これを受けてイラン側は、トランプ大統領の決断を非難。最高指導者のハメネイ師も先週の水曜日には「トランプ大統領は過ちを犯した」と批判した。
またイランの議会では壇上でアメリカの国旗が燃やされるなどし、国民の多くもアメリカの核合意からの離脱に怒りや不安を覚えているという。
イギリスやフランス、ドイツは、この合意がイランの核兵器開発を阻止する最も有効な方法だと訴え、トランプ大統領に対し合意から離脱しないよう説得を続けていた。
しかしトランプ大統領は合意からの離脱と、核開発放棄の見返りとして緩和されていた経済制裁の再開を発表し、3カ国の外交努力は失敗に終わる。(了)
※下の動画は、アメリカの国旗が議会で燃やされる場面。
出典元:BBC:Is Iran’s Supreme Leader Ayatollah Khamenei trolling Trump?(5/11)
参考:BBC:イラン核合意 米国離脱でどうなるのか(5/9)