EU離脱の影響でドイツの市民権を得るイギリス人が急増、過去の3倍以上に
将来のEUからの離脱を見据えて、ドイツの市民権を取得するイギリス人が急増していることが明らかとなった。
●約2800人が申請、以前の3倍以上
その状況を明らかにしたのはドイツの連邦統計局。彼らの報告によれば、昨年ドイツの市民権を取得したイギリス人は2865人となり、この数字は以前の361%に当たるという。
取得した人の多くは将来、EU内で仕事をして暮らしていくのが困難になるとして、ハードブレグジット(強硬路線での離脱:EU圏内で経済活動を行わない)を懸念しており、今年はさらにドイツの市民権を取得するイギリス人が増える可能性があるそうだ。
ドイツ連邦統計局も声明で「イギリスのEU離脱とのつながりは明らかだと思います。イギリス人が登録したのは、これまででもっとも高い水準です」と語っている。
●市民権取得にはテストを受ける必要が
しかしドイツの市民権を得るにはどうすればいいのか。英紙METROによれば、8年間ドイツに住んでいるか、もしくは6年間ドイツ人と結婚生活を営んでいる人には市民権を得る資格が与えられるという。
しかし申請者はドイツ語が堪能であることを証明するために、250ユーロ(約3万円)の受験料を払い、一般教養と語学テストを受けなければならないそうだ。
ただ自分の先祖が過去にドイツから追放されたり、または第2次世界大戦でナチスによって殺害されたりしたことが証明できた人には、テストなしで市民権が与えられると言われている。
●独以外でもイギリス人の申請が増加
イギリスは2019年にEUからの離脱を目指しているが、現行法では離脱をしても、イギリス人が2重の国籍を持つことは許されているという。
そして現在、ドイツには約10万人のイギリス人が住んでおり、やはり市民権の申請を行う主な動機は、EUにおける自らの地位や身分を確保することだとされている。
ドイツにおける外国人の申請者数は昨年で11万400人とされているが、中でも最近ではイギリス人による申請が最も大きな上昇を示しているそうだ。
またドイツ以外のEU加盟国、例えばアイルランドやノルウェー、イタリア、デンマークでも、イギリス人の申請者数が急増しているという。(了)
出展元:METRO:The number of British people becoming German citizens has risen 361%(6/13)