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石油業界などが1950年代から気候変動の脅威を知っていた?新たな文書が浮上

石油業界などが1950年代から気候変動の脅威を知っていた?新たな文書が浮上
flickr_Roy Luck

アメリカの化石燃料業界が、かなり以前から気候変動の研究に資金を提供していたことが、新たに見つかった文書で判明した。

 

チャールズ・キーリング氏の研究に資金提供

 

その文書は、アメリカ・気候調査センターの研究者であるレベッカ・ジョン氏によって発見され、気候変動ウェブサイト「DeSmog」において公開されたという。

 

そこには、石油と自動車関連企業が1954年12月、アメリカ西部全域と太平洋の二酸化炭素濃度を測定していた、チャールズ・キーリング氏の初期の研究に、1万3814ドル(現在の金額で約2300万円)を提供していたことが書かれていたそうだ。

 

カリフォルニア工科大学の研究者であったキーリング氏は、地球の二酸化炭素レベルの上昇グラフ、いわゆる「キーリング曲線」を描いた人物で、これは現代の最も重要な科学的成果の1つとして高く評価されている。

 

「文明にとってかなり重要」

 

化石燃料産業の企業は、「大気汚染財団」と呼ばれる団体に資金を提供しており、この団体は、スモッグの研究と並行して、二酸化炭素を測定するための資金を、当時26歳だったキーリング氏に提供したという。

 

その後、この研究結果を基にして、アメリカの科学者はハワイのマウナロア火山でさらなる実験を行うことになり、世界の二酸化炭素組成の継続的な状況を報告することになったそうだ。

 

今回、発見された文書において、当時キーリング氏の研究の責任者であったカリフォルニア研究所の研究者、エプスタイン氏は次のように書いていた。

 

「気候、光合成速度、海洋炭酸塩との平衡速度に関連して、大気中の二酸化炭素濃度の変化がもたらす影響は、最終的には文明にとってかなり重要であることが証明されるかもしれない」

 

深刻な害について知っていた可能性

 

これまでも大手石油会社などが、気候への影響について数十年を費やし、独自の研究を行ってきたことが明らかになっている。今回の文書でも、化石燃料産業が現代の気候科学の始まりに密接に関与し、気候変動がもたらす深刻な害について知っていた可能性が示されている。

 

しかしその後、これらの産業界は何十年にもわたってこの科学を公に否定し、気候変動への対策を遅らせる継続的な取り組みに資金を提供してきた。

 

マイアミ大学で、気候に関する偽情報を研究している専門家、ジェフリー・スープラン氏は、次のように語っている。

 

「これらの資料には、少なくとも1954年までに、化石燃料産業が自社製品により、人類文明にとって重大な規模で地球の気候を混乱させる可能性について気づいていた、という決定的な証拠が含まれています」(了)

 

出典元:The Guardian:‘Smoking gun proof’: fossil fuel industry knew of climate danger as early as 1954, documents show(1/30)

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