米上院でイスラエルなどを支援する法案が可決、イスラム団体が批判
アメリカ議会の上院で、戦時支援法案が可決し、共和党が過半数を占める下院へ送られた。
ウクライナ、イスラエル、台湾を支援
議会の上院では2月13日、総額950億ドル(約14兆円)に及ぶ、戦時支援法案が可決された。今後、法案は下院へ送られ、採決されることになる。
この法案には、ウクライナへの600億ドル(約9兆円)の資金提供が含まれ、その多くはウクライナの軍事作戦の支援と、アメリカの武器や装備品の補充に充てられるという。
また140億ドル(約2兆1000億円)が、ガザ地区を攻撃しているイスラエルの軍事支援に充てられ、中国による侵略を阻止する一環として、台湾を含むインド太平洋地域のパートナー国の支援に、80億ドル(約1兆2000億円)以上が投じられるそうだ。
さらに法案では、ウクライナや、多くのパレスチナ人が飢え、破壊しつくされたガザ地区への人道支援活動として、100億ドル(約1兆5000億円)が割り当てられている。
イスラム団体がイスラエル支援を批判
しかしイスラエルに140億ドルの支援を提供することについて、アメリカ・イスラム関係評議会(CAIR)は非難。CAIR政府担当局長のロバート・マッコウ氏は声明で、次のように述べた。
「ネタニヤフの極右ジェノサイド政権への資金提供を優先しながら、ガザ地区でパレスチナ人に対して行われている戦争犯罪に目をつぶっている上院は、恥ずべきだ。この投票は道徳的に非難されるべきものであり、アメリカの正義と人道原則に反するものである」
この法案の採決では、一部の上院議員がイスラエルのガザ侵攻を批判していたが、ウクライナを支持するために、この法案に賛成票を投じたという。
スナイパーにより3人が死亡
ガザ地区では2月13日にも、南部のハンユニスにある「ナセル病院」において、イスラエル軍のスナイパーによる攻撃で、3人が死亡した。
またイスラエル軍は、「ナセル病院」に対し、院内に避難しているパレスチナ人に退去するよう要請したという。
しかし病院の敷地内には、1500人以上の避難民、そして職員190人とその家族299人、動くことのできない273人の患者と327人の付き添い人がまだ残っている。
ローマ教皇庁のピエトロ・パロリン枢機卿は2月13日、次のように述べた。
「(ガザ地区での)この作戦を正当化するために発動されたイスラエルの防衛権が、均整のとれたものであることを要請するが、確かに3万人の死者を考えれば、そうではない。私たちは皆、現在起こっていること、この大虐殺に憤慨していると思うが、希望を失わずに前に進む勇気を持たなければなりません」(了)
出典元:The Guardian:US Senate approves $95bn aid package for Ukraine, Israel and Taiwan(2/13)
出典元:Al Jazeera:Israel’s war on Gaza updates: Israeli snipers kill three at Nasser Hospital(2/13)