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米の報告書、UNRWAと「ハマス」との協力関係に疑問を投げかける

米の報告書、UNRWAと「ハマス」との協力関係に疑問を投げかける
X_UNRWA Partners

アメリカ政府の諮問機関による報告書が先週発表され、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)と「ハマス」との協力関係に、疑問が投げかけられた。

 

米国家情報会議の報告書

 

イスラエルは今年初め、「ハマス」とともに10月7日の攻撃に参加したとして、UNRWAの職員12人を告発した。またイスラエル側は、UNRWAの職員全体の10%がハマスに所属しているとも述べたという。

 

この重大な告発により、アメリカや日本を含む国々が、UNRWAへの一時的な資金拠出を停止。現在、UNRWAのガザ地区での活動が滞り、人道危機が広がっている。

 

しかし先週、アメリカ国家情報会議(NIC)の報告書が発表され、UNRWAが「ハマス」と広範な協力関係があるとの主張に、疑問が投げかけられたそうだ。

 

イスラエルの主張は「信頼性が低い」

 

国家情報会議による4ページの報告書は先週、アメリカの政府関係者に配布されており、そこでは「UNRWAの少数のスタッフが、攻撃に参加した」という基本的な主張は、「信頼性が低い」と宣言されたという。

 

また報告書には、イスラエルの主張に信頼できると思われるものも含まれているが、それを独自に検証することはできなかったと、書かれていたそうだ。

 

さらに報告書は、イスラエルが主張する「ハマスとUNRWAとの広範な協力関係」にも疑問を投げかけているという。

 

報告書では、UNRWAがこの地域で活動し、支援を提供するために、「ハマス」と「調整(coordinate)」しているものの、ハマスのパートナー(協力関係)になっていることを示唆する証拠は不足していると述べられていたそうだ。

 

イスラエルの偏見が歪みをもたらす

 

また報告書は、UNRWAに対するイスラエルの嫌悪感を指摘しており、「イスラエルの偏見により、UNRWAに対する評価の多くを誤った方向へ導く部署があり、それが歪みをもたらしている」と述べられていたという。

 

国家情報会議は中・長期的な予測を行い、大統領に政策を提案する諮問機関であり、上級の情報アナリストで構成されている。

 

一方、アントニー・ブリンケン国務長官は1月、イスラエルの告発は「非常に信憑性が高い」と述べていた。(了)

 

出典元:The Guardian:US intelligence casts doubt on Israeli claims of UNRWA-Hamas links, report says(2/22)

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