AIで生成されたトランプ氏と黒人の偽写真、支持者が拡散
ドナルド・トランプ氏と黒人を写した偽の写真が、AIによって作られ、支持者らによって拡散されていることが明らかになった。
黒人の青年らと笑顔を浮かべる写真
それらの写真には、トランプ氏が若い黒人の青年や、女性らと並び、笑顔を浮かべている様子が映っていた。
写真は一見、本物のように見えるが、実はAIによって作られた偽写真だ。ただトランプ陣営が作成したとの証拠はなく、支持者が勝手に作ったとの見方が出ている。
実際に1枚の写真は、フロリダ州を拠点とする保守系ラジオ番組の司会者、マーク・ケイ氏によって作成されたという。
本物と信じてしまう人も
しかしSNSで拡散された写真の中には、トランプ氏が黒人と写真を撮るために、あえて乗っていた車列を止めて、ポーズをとったなどと、誤ったキャプションもついていたそうだ。
そして一部のSNSユーザーは、この写真を偽物だと指摘したが、多くのユーザーは本物だと信じていたとか。
実際に、アトランタの「ダグラス」という名前のタクシー運転手は、メディアの取材に対し、「最初は、写真の1枚が本物だと信じており、それによってトランプ前大統領が、黒人コミュニティを支持しているという見方が強まった」と語ったという。(下の投稿はフェイク画像になる)
What is the first thing that comes to mind when you see this photograph? pic.twitter.com/TAK9EMyd6X
— Trump History (@Trump_History45) October 20, 2023
偽情報戦術が復活
黒人団体「Black Voters Matter」の共同創設者、クリフ・オルブライト氏は、AIが生成した写真により、2020年の大統領選挙で使われた偽情報戦術が復活したようだと指摘。
「黒人コミュニティ、特に若い黒人有権者を、再び偽情報のターゲットにしようとする試みが、ずっと記録されてきました」と述べている。
トランプ氏を支持する団体によれば、今週からジョージア州やミシガン州、ペンシルベニア州の黒人有権者を対象として、広告キャンペーンを行うという。
ただ2020年の大統領選挙では、6つの主要な激戦州において、黒人有権者の92%がバイデン氏に投票しており、今年も71%がバイデン大統領に投票すると見られている。(了)
出典元:The Guardian:AI-generated images of Trump with Black voters being spread by supporters(3/4)