「イスラエルは選挙を実施すべき」米上院トップがネタニヤフ首相を痛烈批判
アメリカ議会上院のリーダーが、演説でイスラエルを批判し、その発言が注目を集めている。
イスラエル指導部の刷新を求める
民主党・上院院内総務のチャック・シューマー議員は3月14日、議会での演説で、ガザ地区での紛争が始まって以来、最も厳しいイスラエル批判を展開し、同国の指導部の刷新を求めたという。
ユダヤ系アメリカ人のシューマー氏は、イスラエルのネタニヤフ首相を直接非難。イスラエルの指導者が「ガザでの民間人の犠牲を、あまりにも喜んで容認している」と述べた。
またシューマー氏は、ネタニヤフ首相がこの紛争における「二国家解決案」を拒否するのは「重大な間違い」であると批判。ネタニヤフ首相が「二国家解決」にとって、最も大きな障害の1つであるとし、イスラエル国内で現首相に代わる選挙の実施を行うよう促したそうだ。
May we light the candles that lead us to a better future for all. pic.twitter.com/XtBJEqA7ro
— Chuck Schumer (@SenSchumer) March 14, 2024
「イスラエルには道徳的義務がある」
さらにシューマー氏は演説で「この紛争の複雑さを理由に、明白な真実を述べるのをやめるべきではない。パレスチナの民間人はハマスの罪で苦しむ必要はなく、イスラエルには改善する道徳的義務がある」と述べた。
その上で、シューマー氏は、停戦を確保し、人質を解放し、ガザ地区への支援を行うために可能なすべてのことを行うよう、現在交渉にあたっている担当者に促したという。
これまでバイデン大統領も含めて、アメリカの議会でも、イスラエルに対する直接の批判はあまり上がってこなかった。アメリカはイスラエルの長年の同盟国であり、毎年約38億ドル(約5600億円)も支援している。
それでも最近は、バイデン大統領からも「ガザ地区では民間人が、あまりにも多く殺されている」との批判が出ており、今回のシューマー氏の発言は、恒久的な停戦を求める世論の圧力が高まる中、民主党指導部のイスラエルに対する態度の変化を示唆している。(了)
出典元:Al Jazeera:US Senate leader Chuck Schumer calls for new Israel elections amid Gaza war(3/14)