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【国連総会】パレスチナの正式加盟申請の決議案、143カ国の賛成で可決

【国連総会】パレスチナの正式加盟申請の決議案、143カ国の賛成で可決
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5月10日、国連総会が開かれ、パレスチナの国連正式加盟申請に関する決議案の採決が行われた。

 

安保理での採決を要請

 

この決議案は、パレスチナ自治政府に正式加盟の資格があると認めるもので、採決では143カ国が賛成、アメリカやイスラエルなど9カ国が反対、25カ国が棄権し、可決された。

 

もっともこの決議案が可決されても、まだパレスチナが正式加盟することにはならない。ただ国連総会は安全保障理事会に対して、パレスチナに正式な加盟国としての権限を与えるよう要請することになる。

 

また現在のオブザーバー資格に加えて、パレスチナには新たな権利と特権が与えられることになるという。(ただし総会での投票権や、安全保障理事会のメンバーに立候補する権利は与えられない)

 

イスラエル側は激しく反発

 

イスラエル側は、この決議案に強く反対し、採決前には、激しい言葉で支持者らを非難した。

 

イスラエルのギラド・エルダン国連特使は演説において、小型シュレッダーで国連憲章の表紙の小さなコピーを細断しながら「あなた方は、国連憲章を自らの手で粉砕している。(略)恥を知れ!」と述べたという。

 

一方、パレスチナのリヤド・マンスール特使は、今回の投票が、ガザ地区のラファへの攻撃が行われている最中に行われると指摘。次のように述べた。

 

「私たちが話している間にも、ラファに住む140万人のパレスチナ人は、この日を生き延びることができるのか、次にどこに行けばよいのか考えています。もうどこにも行くところがありません。(略)これから行われる歴史的な投票ほど、重要なものはありません」

 

アメリカが拒否権を行使すると警告

 

この決議案の可決により、世界がパレスチナ国家の樹立を支持したことになるが、反対票を投じたアメリカは、パレスチナ加盟に関する問題が安全保障理事会で再度採決に持ち込まれた場合、再び拒否権を発動するだろうと警告したという。

 

アメリカ国連代表部のネイサン・エバンス報道官は「この決議案は、非加盟国の監視団(オブザーバー)としてのパレスチナ人の地位を変えるものではない」と指摘。

 

「この決議案を前進させる努力は、パレスチナ自治政府が現在、国連憲章に基づく国連加盟の基準を満たしていない、という現実を変えるものではない」とも述べた。

 

アメリカは先月も安保理で、パレスチナの国連正式加盟の決議案に拒否権を行使している。

 

アメリカのウッド国連次席大使は採決後、国連での一方的な措置はイスラエルとパレスチナの「2国家共存」につながらないと指摘。「アメリカの反対票は、パレスチナ国家樹立に反対を示すものではない」とし、「アメリカは、パレスチナの国家樹立が、(イスラエルとの)当事者間の直接交渉を伴うプロセスを通してのみ、実現すると認識している」と述べた。

 

今回、決議案に反対した他の国は、アルゼンチン、チェコ、ハンガリー、ミクロネシア、ナウル、パラオ、パプアニューギニアとなる。(了)

 

出典元:The Guardian:UN general assembly votes to back Palestinian bid for membership(5/10)

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