イスラエルのネタニヤフ首相が米議会で演説、多くの民主党議員が欠席
イスラエルのネタニヤフ首相は24日、アメリカ議会に招かれ、上下両院合同会議で演説を行った。
民間人の犠牲を避けていると主張
ネタニヤフ首相は24日、アメリカ議会で演説し、イランに対抗するため各国は同盟を結ぶ必要があると発言し、その取り組みに対してバイデン大統領に感謝の意を表したという。
またネタニヤフ首相は、イスラエル軍がガザ地区において、民間人の犠牲を避けるために「国際法の要求を超える」行動を取っていると発言。さらにアメリカ人の大多数は引き続きイスラエルを支持しており、「ハマスの嘘」には騙されていないとも述べたという。
その上で「ハマス」に完全勝利することが重要だとし、アメリカにさらなる支援を求めた。
世論調査では48%がイスラエルに反対
しかしすでにガザ地区での犠牲者は約3万9000人に達しており、多くの人権団体もイスラエルが国際法を無視して、ガザ地区の民間人を標的にしていると主張している。
しかもイスラエルはガザ地区で、食料と水の供給を組織的に遮断し、住民の90%以上を避難させ、地区全体を壊滅させている。
またギャラップの世論調査では、アメリカ人の48%がガザ地区でのイスラエルの行動に反対しており、支持を表明した42%を上回っている。
また「データ・フォー・プログレス」が5月に実施した世論調査では、アメリカ人の全有権者の約70%が、ガザ地区での恒久停戦を支持していることが明らかになった。
民主党の多くの議員が欠席
ネタニヤフ首相の演説には、トランプ氏への支持を明らかにした、起業家のイーロン・マスク氏も出席したという。
しかし民主党の進歩派を含む多くの著名な議員は、ネタニヤフ首相の演説への出席を辞退した。
民主党の元下院議長であるナンシー・ペロシ氏は、親イスラエル派の議員だったが、今回演説には出席しなかった。
ペロシ元下院議長は、以前からネタニヤフ首相を公然と批判しており、今年の4月には「辞任すべきだ」と発言。また、ネタニヤフ首相をアメリカ議会に招くのは「間違っている」とも述べていたという。
他にも、少なくとも9人の上院議員や、数十人の下院議員が今日の演説をボイコットし、その中には民主党のオカシオ=コルテス下院議員、ユダヤ人のバーニー・サンダース上院議員、パティ・マレー上院議長代行も含まれている。
また大統領選への立候補を表明した民主党の、カマラ・ハリス副大統領も、インディアナ州のインディアナポリスで選挙活動を行ったために、ネタニヤフ首相の演説を欠席した。
パレスチナ系アメリカ人のラシダ・タリーブ下院議員は、SNSへの投稿で次のように非難した。
「ネタニヤフ首相は、パレスチナ人に対する大量虐殺を犯した戦争犯罪者だ。共和党と民主党の指導者が彼を議会演説に招待したことは、まったく恥ずべきことだ。彼は逮捕され、国際刑事裁判所に送られるべきだ」
議事堂前で抗議デモ
一方、ワシントンD.C.では、ネタニヤフ首相の演説に抗議するため、デモ参加者たちが議会議事堂前に集まったという。
数千人のデモ参加者は、ガザ地区でのイスラエルの軍事攻撃と、アメリカの軍事支援の両方に抗議の声を上げ、「パレスチナを解放せよ、解放せよ」とスローガンを唱えて、議会議事堂に迫ったそうだ。
これに対し議事堂の警察は、催涙スプレーなどを噴射し、鎮圧に動いたという。(了)
出典元:Al Jazeera:US politics live: Israel PM Netanyahu addresses joint session of Congress(7/24)