「ガザ地区の200万人を餓死させるのは正当かつ道徳的」イスラエルの大臣が発言
イスラエルの極右政治家で、財務大臣の発言が、各国から非難を浴びている。
EUや米、英、フランスも非難
イスラエルのベザレル・スモトリッチ財務大臣は今週、会合において「人質を解放するために、200万人を飢えさせることは正当かつ道徳的かもしれないが、世界中の誰もそれを許さないだろう」と述べたという。
この発言に対し、EUは民間人の故意の飢餓は「戦争犯罪」だとし、声明において「これは、国際法と人道の基本原則を、彼が軽蔑していることを示している。イスラエル政府が、スモトリッチ財務大臣の発言から明確に距離を置くことを期待する」と述べた。
またアメリカやイギリス、フランスなども、イスラエルの財務大臣の発言を非難しており、イギリスのデービッド・ラミー外相は、発言の撤回を求め、「この発言は正当化できない。国際法はこれ以上ないほど明確だ。民間人を故意に飢えさせることは戦争犯罪だ」と非難した。
アメリカ国務省の報道官も「我々はこれらの発言に愕然としており、この発言は有害で不安をかき立てるものだと改めて強調する」と述べたという。
パレスチナ自治政府の外務省も、この発言を受け、スモトリッチ財務大臣の逮捕状を国際刑事裁判所に要求し、次のように非難した。
「スモトリッチ氏の発言は、大量虐殺政策を採用し、それを自慢していることを明確に認めている。これは最も醜い形のファシズムの直接的な表現だ」
ガザ北部の2つの学校を空爆
一方、ガザ地区では8月8日、北部のガザ市にある2つ学校が、イスラエル軍による空爆を受け、15人のパレスチナ人が殺害され、少なくとも30人が負傷した。
空爆を受けたのは、ガザ市のトゥッファ地区にあるアブデル・ファッター・ハムード校とアル・ザフラ校の2校で、まだ多くの人が行方不明となっており、瓦礫の下に埋まっていると考えられている。
イスラエル軍側は、この学校施設が「ハマス」の司令部として使用されていたと主張している。
またイスラエル軍はガザ市南東部のザイトゥーン地区も空爆し、その後、3人のパレスチナ人の遺体が回収されたという。
さらにイスラエル軍は、ガザ中部のヌセイラト難民キャンプの北にある発電所付近も空爆。これにより3人のパレスチナ人が死亡、数人が負傷した。
同じく中部のブレイジ難民キャンプへもイスラエル軍による空爆が行われ、15人のパレスチナ人が殺害されたそうだ。(了)
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出典元:Al Jazeera:Israel’s war on Gaza live: Strikes on two schools kill at least 15(8/8)