オーストラリア政府、SNS企業に罰金を科す、新たな法案を提出
誤情報や偽情報に対処しないSNS企業に罰金を科す、新たな法案がオーストラリアの議会に提出された。
世界収益の5%の罰金
この法案は9月12日に議会に提出され、「フェイスブック」や「X」などのSNS企業に対して、危険な虚偽情報の拡散をどのように阻止するかを規定する行動規範を定めるよう求め、規制当局の承認を得るよう促す内容になっているという。
そしてSNS企業側が、行動規範の基準を満たせなかった場合、規制当局は独自の基準を設定。この基準に沿わず、誤った情報の拡散を防止できなかった場合、SNS企業に対し、最大で世界収益の5%の罰金を科すことになるそうだ。
この法案では、特に選挙の公正性や公衆衛生を損なう情報、人を傷つける可能性がある情報、あるいは主要なインフラや緊急サービスを混乱させる危険性のある情報を対象にしている。
ミシェル・ローランド通信大臣は声明で、「誤った情報や偽情報は、オーストラリア国民の安全と福祉、そして民主主義、社会、経済に深刻な脅威をもたらしている。何もせず、この問題を放置するという選択肢はありません」と述べた。
以前の法案は権限を与えすぎていると批判
実は同様の法案は2023年にも提出されたが、当時はオーストラリア通信・メディア局に対して、誤情報や偽情報に該当するかを判断させる権限を与えすぎている、として批判されたという。
今回の新しい法案では、メディア規制当局が、個々のコンテンツやユーザーアカウントの削除を強制する権限を持たない。また専門的なニュース、芸術、宗教に関するコンテンツは保護されるそうだ。
野党のジェームス・パターソン氏は、改正法案をまだ精査していないとしながらも、「オーストラリア人が合法的に保持している政治的信念は、政府や外国のSNSプラットフォームによって検閲されるべきではない」と述べている。
一方、オーストラリア通信・メディア局は、「デジタルプラットフォーム上の偽情報と闘うための正式な規制の役割を与える立法を、歓迎する」と述べた。(了)
出典元:CNBC:Australia threatens fines for social media giants enabling misinformation(9/12)