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「国を救うものは法を犯さない」トランプ氏の投稿に非難が殺到

「国を救うものは法を犯さない」トランプ氏の投稿に非難が殺到
X_Dylan Worden

アメリカのトランプ大統領は2月15日、SNSの投稿においてナポレオンの言葉を引用し、民主党の議員から批判されたという。

 

ナポレオンの言葉をSNSに投稿

 

トランプ政権は発足当時から、さまざまな政策を打ち出したが、各地の裁判所に訴訟が提起され、複数の裁判官が一時的な政策の差し止めを命じている。

 

例えば、出生地主義の廃止の試みや、連邦政府の補助金や資金の凍結、「政府効率化省(DOGE)」による機密性の高いシステムやデータへのアクセス、膨大な数の連邦職員の解雇まで、トランプ政権は全国で少なくとも70件の訴訟に直面しているという。

 

トランプ政権が打ち出した政策の中には、明らかに「憲法違反」に当たるものが含まれており、その多くは憲法上の大統領権限を逸脱したものだと批判されている。

 

しかしJ・D・バンス副大統領は2月9日、「裁判官が、行政の正当な権力を制御することは許されない」と投稿。司法権や憲法を軽視しているとして、批判を浴びた。

 

そして2月15日、トランプ大統領は、フランス憲法を無視して皇帝の座についた独裁者・ナポレオンの言葉を引用し、「国を救う者はいかなる法律も犯さない」とSNSに投稿した。

 

この投稿に対しては、民主党議員の多くから、非難の声が寄せられたという。

 

「アメリカ史上最も無法な大統領だ」

 

この言葉は、「国を救おうとする者は、いかなる法でも裁かれることはない」という意味に受け取られているが、ロッド・スタイガー主演の映画『ワーテルロー』での、ナポレオンのセリフの引用とも考えられている。

 

三権分立が確立している国家において、政策が憲法に違反するかどうかは、司法権が判断することは明確であるが、トランプ氏はその判断に異議を唱え、憲法を無視するのではないか、と懸念されてきた。

 

元労働長官のロバート・ライシュ氏は、ガーディアン紙のインタビューにおいて「トランプ氏は、アメリカ史上最も無法な大統領だ」と指摘し、次のように述べている。

 

「これは狂気だ。我々の政治システムでは、大統領が権力を『正当に』行使しているかどうかを判断するのは裁判所であって、大統領ではない」

 

またバージニア州選出のティム・ケイン上院議員も、次のように述べたという。

 

「大統領には権限があるが、大統領は法律にも従わなければならない。ご存知のように、エンパワーメント法という法律があり、議会が特定の目的のために予算を割り当てた後、大統領が『それは気に入らない。このお金は使うが、あのお金は使わない』と言うことはできません」

 

世界制覇を狙ったナポレオンだが、結局1815年の「ワーテルローの戦い」で破れ、皇帝の座を追われて、その後流されたセントヘレナ島で死去したと言われている。(了)

 

出典元:The Guardian:Trump under fire for likening himself to Napoleon amid attacks on judges(2/16)

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