Switch news

知っておきたい世界のニュース

イスラエルによるガザ地区への大規模空爆、国際社会が厳しく非難

イスラエルによるガザ地区への大規模空爆、国際社会が厳しく非難
X_Eye on Palestine

イスラエルは3月18日の未明、停戦を破り、ガザ地区に対し再び大規模な空爆を行った。

 

トランプ大統領が攻撃を黙認

 

この空爆はガザ地区の広範囲で行われ、これまでに400人以上のパレスチナ人が死亡、犠牲者の中には高齢者や女性、子供も多く含まれていたという。

 

実際、この攻撃で、少なくとも174人のパレスチナ人の子供や89人の女性、39人の高齢者が殺されたそうだ。

 

 

実はこの空爆が行われる前、イスラエル側は、アメリカのトランプ大統領に相談していたとされ、ホワイトハウスもその事実を認めている。つまりトランプ大統領が、イスラエルの空爆を黙認したということだ。

 

ガザ地区を統治するパレスチナ武装組織「ハマス」は、「ネタニヤフ首相とその過激派政府が1月19日の停戦を覆し、ガザ地区の人々を不確かな運命にさらした」と非難。

 

またアメリカに対しても「占領に対する無制限の政治的、軍事的支援により、アメリカ政府はガザ地区での虐殺と、女性や子供の殺害に全面的に責任がある」と述べたという。

 

一方、国連の安全保障理事会でアメリカの国連大使は「停戦の崩壊の責任は、ハマスのみにある」と述べたが、「ハマス」はこれまでも停戦を維持し、協定の順守をイスラエル側に求めてきた。

 

ヨーロッパ各国もイスラエルの攻撃を非難

 

国際社会もイスラエルによる停戦破棄と、ガザ地区への空爆再開に衝撃を受けている。

 

欧州理事会のアントニオ・コスタ議長はSNSにおいて、イスラエルのガザ地区への攻撃で民間人が殺害されたことに「衝撃を受け、悲しんでいる」と投稿。「暴力を止め、停戦合意の条件を尊重しなければならない。人質と拘束者全員を解放し、人道支援を直ちに再開しなければならない」と述べた。

 

イギリス・スターマー首相の報道官も「民間人の犠牲者の報告には、ぞっとする」と発言。戦闘を終わらせ、停戦合意を完全に履行するため、すべての当事者に対し、早急に対話へ戻るよう求めたという。

 

フランスの外務省も、イスラエルによる攻撃を非難。「人質解放の取り組みを危険にさらし、ガザ地区の民間人の命を脅かしている敵対行為を即時停止するよう」求めたそうだ。

 

ドイツのアンナレーナ・ベアボック外相は、「イスラエルの激しい攻撃により、ガザ地区での停戦が終わったことは大きな懸念だ。難民キャンプでテントが燃えている映像は衝撃的だ。逃げる子どもや国内避難民を交渉の材料にしてはならない」と述べている。

 

スペインのペドロ・サンチェス首相は「X」への投稿で、イスラエルによる大規模な空爆を「残虐。悲しい。受け入れられない」と表現した。

 

アイルランドのマイケル・マーティン首相も、イスラエルのガザ攻撃を非難。「想像を絶する苦難に耐えてきたガザ地区の民間人全員のために、すべての敵対行為を緊急に停止しなければならない」とし、当事者に対し「停戦と人質解放合意を尊重し、交渉に戻る」よう要求した。

 

ベルギーのマキシム・プレヴォ外相は「X」において、「停戦合意の第2段階を実施するよう求める」と投稿し、「イスラエルの新たな攻撃と、それによる多大な人的被害」を非難。「イスラエルによるパレスチナ人への人道支援の封鎖は、国際法の重大な違反」だと述べた。

 

地中海にあるマルタ共和国のロバート・アベラ首相は「X」への投稿で、少なくとも400人が死亡した攻撃を「野蛮」と呼んだそうだ。

 

中東諸国も強い言葉で非難

 

サウジアラビアとカタールも、イスラエルによるガザ地区への猛攻撃を非難。特にイスラエルと「ハマス」との停戦延長の交渉を仲介してきたカタールは、イスラエルのエスカレーションが地域を激化させていると警告し、攻撃を強く非難した。

 

と同時にカタールの外務省は、紛争終結につながる停戦合意を実行するための対話再開が、緊急に必要であると強調したという。

 

サウジアラビア外務省も声明で、「イスラエル軍の侵略再開と、非武装の民間人が居住する地域への直接攻撃を、最も強い言葉で非難する」と述べた。

 

アラブ首長国連邦の外務省も「1月に合意された停戦協定に違反する、数百人のパレスチナ人の死傷者を出した、ガザ地区へのイスラエルの空爆を最も強い言葉で非難する」と声明を発表。「UAEは、ガザ地区における、罪のない人々の命の喪失と人道的惨事の悪化を招く恐れのある、いかなる軍事的エスカレーションの結果についても警告する」と述べている。

 

トルコのエルドアン大統領は、「400人以上の同胞を殉教させた残虐行為の責任者は、流した血の一滴一滴に対して、責任を問われることになる。(イスラエルの)シオニスト政権は昨夜のガザ地区への残虐な攻撃で、罪のない人々の血、命、涙を糧とするテロ国家であることを改めて示した」と痛烈に批判した。

 

ヨルダン政府の報道官も「我々は昨夜から、イスラエルによるガザ地区への攻撃的かつ野蛮な爆撃を注視してきた」と述べ、これらの攻撃を止める必要性を強調した。

 

仲介役を務めてきたエジプトも、イスラエルの空爆を停戦の「甚だしい違反」だと非難。エジプト外務省は、この攻撃は「地域の安定に深刻な影響を及ぼす恐れのある危険なエスカレーション」であると述べたそうだ。

 

国連事務総長の報道官が発表した声明によれば、「グテーレス事務総長は、相当数の民間人が死亡したガザでのイスラエルの空爆に衝撃を受けている」という。

 

また「グテーレス事務総長は、停戦が尊重され、妨害されない人道支援が再開され、残りの人質が無条件で解放されるよう強く訴える」と述べたそうだ。

 

国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」のイスラエル・パレスチナ担当ディレクター、オマール・シャキル氏は、イスラエルがガザ地区で国際法を公然と違反していると述べ、国際社会に対し、イスラエル当局者の責任を追及し、同国への武器移転をすべて停止するよう求めた。(了)

 

出典元;Aljazeera:LIVE: Israel says attacks on Gaza that killed hundreds ‘only the beginning’(3/18)

記事が気に入ったら
Switch Newsをフォローしよう!


Return Top